先月，インドを旅行して，仕事に役に立ったと感じたことはいくつかある。
ひとつは，大気汚染がどういうもので，ヒトの健康に悪影響を及ぼす程度はどのくらいか，ということが分かったことである。日本での大気中NOx，SOx濃度の測定結果をみて，それがどのくらい由々しい（由々しくない）ことなのかを考えても，全然ピンとこなかった。
旅行してみて，発展途上国といわれる国の大都市では，大気汚染が健康を脅かす重大問題ということがはっきり分かった。現に，夫はインドの中規模都市に住んで1年半ほどになるが，痰が切れないという。前にはこんなことはなかった。彼のQOLは，日本にいたときよりは低下している。
バイクは庶民の重要な移動手段の一つであるが，乗っている人（特に女性）は，月光仮面のように顔中覆っている。日焼け防止ではなく，マスク代わりだそうだ。インドの（別にインドにこだわることはないが）都市部と田舎で，喘息患者の割合比較などの疫学調査をやってみたくなった。
