Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

Finkel:小さすぎて問題にならない/大きすぎて耐えられないリスクとコストの大きさ

At last, empirical elicitations of the magnitudes of those risks and costs too small to matter and those too large to abide
ついに、小さすぎて問題にならないリスクとコスト、および大きすぎて耐えられないリスクとコストの大きさが経験的に明らかに!

Adam M. Finkel & Branden B. Johnson (2023) At last, empirical elicitations of the magnitudes of those risks (and costs!) too small to matter and those too large to abide, Human and Ecological Risk Assessment: An International Journal, DOI: 10.1080/10807039.2023.2251585

面白い実験をやっている。

I’ve helped make risk & cost-benefit analysis more humane/effective for 35 yrs; this may be the most needed work I’ve done. B. Johnson & I designed the 1st psychometric surveys of how citizens gauge risks of death from pollutants & their reg’y costs.

Equally or more importantly, (2) other failures to intervene (or half-hearted, weak interventions) fail to reduce intolerable risks, for the sake of avoiding trivial and eminently manageable costs. These perpetuate outcomes that are inefficient, unjust, and thus unethical.

福田村事件

森達也=監督、2023年日本
井浦新田中麗奈永山瑛太柄本明東出昌大コムアイ、木竜麻生、ピエール瀧水道橋博士、カトウシンスケ、杉田雷麟
ついに森達也が本気を出してきた。「シモヤマ・ケース」で自分を盛り上げてから観たからか、森さん大好き度合いがさらに増した。
****
リンチ(私刑)って簡単にできるのなーと改めて身震いする。竹槍で人が殺せるとは。まあ、瑛太さんは斧だったが(直視できない)。
真実を言っても信じてもらえないことの怖さよ。群衆がYesと言えばYesになる。
あの、デモクラシーの時代でも(1923年、関東大震災)「紙に文字書いている奴は信用できない、いざという時役に立たない!」と叫んでしまう自警団。これを野蛮だとして私たちは笑えようか。
瑛太「鮮人(朝鮮人)なら殺しても良いのか?!」日本人を守るため良かれと思って発した言葉は、周り廻って大きな差別に。これを過去のこととして笑えようか。本当に考えさせられた。
キャストの目ヂカラが誰も彼も強すぎ。瑛太田中麗奈は勿論、ピエール瀧水道橋博士。あと憎まれ役を演じた東出昌大が意外な程カッコよかった。叩かれる人って、半分以上個人的な恨みだなーと。
目ヂカラという点では静かすぎて対照的だったのが井浦新。演出で際立っていた。「かぞくのくに」でも思ったけど、佇まいから何から、本当に素敵な役者さんだ。

アナログ

タカハタ秀太=監督、2023年日本
二宮和也、波留、桐谷健太、浜野謙太、リリー・フランキー
ニノって演技上手いねー!対照的なのが波留、演技指導があれなのかもしんないけどバイオリンの弾き方。爆笑してしまった。なんなのあれ、ボーイングは私の方が上手いよ。
あと、波留が悲しそうであまり綺麗でない、神々しさがないのが良かった。
桐谷健太、浜野謙太のmob感は良かった。あんな風にいつも応援してくれる友達、いいよね。

レゴ、再生ペットボトルからブロックを製造する計画を中止

BBC news
https://www.bbc.com/news/business-66910573

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Lego axes plan to make bricks from recycled bottles
Published 25 September
By Noor Nanji, Business reporter, BBC News
Toy giant Lego has scrapped plans to make its bricks from recycled bottles, in a blow to its efforts to cut carbon emissions.
The company said in 2021 that it aimed to produce bricks not containing crude oil within two years.
But on Monday, it said it had found that using the new material didn't reduce carbon emissions.
Lego said it remains "fully committed" to making bricks from sustainable materials.
Lego makes about 4,400 different bricks. Currently, many of them are made using acrylonitrile butadiene styrene (ABS), a virgin plastic made from crude oil.
The move, which was first reported in the the Financial Times, will be seen as a setback after a high-profile push by Lego to improve its green credentials.
Like many other companies, Lego has been exploring alternative materials to plastic as sustainability becomes more important to customers.
One of the challenges has been finding a material that is durable enough to last for generations.
In 2021, it said it had developed prototype bricks made from polyethylene terephthalate (PET) bottles, with some other chemicals added.
The hope was that material could have offered an alternative to oil-based bricks.
But Lego has now revealed that after more than two years of testing, it had found that using recycled PET didn't reduce carbon emissions.
It said the reason for that was because extra steps were required in the production process, which meant it needed to use more energy.
As a result, it said it has "decided not to progress" with making bricks from the material.
It said it was currently testing and developing bricks made from "a range of alternative sustainable materials".
Niels Christiansen, chief executive of Lego, told the FT that there was no "magic material" to resolve the firm's sustainability challenges.
"We tested hundreds and hundreds of materials. It's just not been possible to find a material like that," he said.
A spokesperson for the company told the BBC: "We remain fully committed to making Lego bricks from sustainable materials by 2032.
"We are investing more than $1.2bn in sustainability initiatives in the four years to 2025 as part of our efforts to transition to more sustainable materials and reduce our carbon emissions by 37% by 2032."

訳:DeepL
玩具大手のレゴ社は、再生ペットボトルからブロックを製造する計画を中止した。
同社は2021年に、2年以内に原油を含まないブロックを製造することを目指すと発表した。
しかし月曜日、同社は新素材を使用しても二酸化炭素排出量を削減できないことが判明したと発表した。
レゴ社は、持続可能な素材からブロックを製造することに「全面的にコミットしている」と述べた。
レゴは約4400種類のブロックを製造している。現在その多くは、原油から作られるバージン・プラスチックであるアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)を使用している。
フィナンシャル・タイムズ』紙が最初に報じたこの動きは、レゴ社がグリーンクレデンシャル(環境保護に関する信用)を向上させようと大々的に推進した後の後退とみなされるだろう。
他の多くの企業と同様、レゴ社は持続可能性が顧客にとってより重要になるにつれ、プラスチックに代わる素材を模索してきた。
課題のひとつは、何世代にもわたって使用できる耐久性のある素材を見つけることだった。
2021年、レゴ社はポリエチレンテレフタレート(PET)ボトルに他の化学物質を添加したプロトタイプのブロックを開発したと発表した。
この素材は、石油を原料とするブロックの代替品になると期待されていた。
しかしレゴ社は、2年以上にわたるテストの結果、再生PETを使用しても二酸化炭素排出量は削減できないことが判明したと発表した。
その理由は、製造工程で余分な工程が必要となり、より多くのエネルギーを使用する必要があるからだという。
その結果、同社はこの素材からレンガを製造することを「断念」したという。
現在、「さまざまな代替持続可能素材」を使ったレンガを試験・開発中だという。
レゴ社の最高経営責任者であるニールス・クリスチャンセン氏は、同社の持続可能性に関する課題を解決する「魔法の素材」は存在しないとFT紙に語った。
「何百もの素材をテストしました。そのような素材を見つけることはできませんでした」と彼は語った。
同社の広報担当者はBBCにこう語った: 「2032年までに持続可能な材料でレゴブロックを作ることに、引き続き全力を尽くしています。
「より持続可能な素材に移行し、2032年までに二酸化炭素排出量を37%削減するための努力の一環として、2025年までの4年間に12億ドル以上を持続可能性への取り組みに投資しています」。

十五の夏

佐藤優=著、幻冬舎文庫

面白い。1975年、高校生一年生(15歳)で東欧とソ連への一人旅。15歳の彼と、東欧・ロシアを一緒に旅させてもらった。読んで良かった。大感謝。
でもね、まず、行かせた親がイっちゃってる。旅行代金が当時で48万円もするのよ。
エピソード自体も面白いが、詳細にメモに記録している佐藤少年の方に驚く。食事については、ほとんどのものを美味いと言い切る胆力に脱帽。15歳だよ。いや、食欲旺盛な15歳だからこそか。
東側諸国の印象が、私の持っているのと違う。時代が違うのかもしれないが。今は明らかに異なるだろう。この行程で全部の国に行ってみたい。
チェコ×、東ドイツ×(訪ねていないが手続きのめんどくささや海外在住者とのやり取りがネガティブ、という点において)、ルーマニア×(システムはダメだが人は良い)
一方でポーランド◎、ハンガリー◎(ペンフレンドがいた)、ソ連◎(ウズベキスタン)。
当時から、日本人旅行者が結構いる。また、ウズベキスタン編は良かった。国旗が、ファミマみたいなのね(笑)。サマルカンド、ブハラ、タシケント。もう、絶対行ってみたい。
帰りは対照的にあっさりで(佐藤少年、メモをあまりとっていなかったのかもしれない)、ウズベキスタンからナホトカ、ハバロフスクと来て船で晴海埠頭へ。

赤ヘル1975

重松清=著、講談社文庫

1980年から84年にかけて広島市で過ごした身には、大変身に染みるものであった。広島弁がただただ懐かしく、1ページごとに肯首しながら読んでしまった。中一男子3人の物語で、ひたすらカープの話、バックには原爆。淡い初恋など全く出てこないところが凄い。
平和教育(原爆許すまじ)とカープ愛がこれでもかと描かれ、どちらもウザいくらいの威圧感(褒めてます)。一見全く関係ないようで、両者が密接に結びついているところが、これまた面白い。これは、広島に住むと腹の底から実感できる。
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私は、小学校1年に上がるときに大阪府枚方市から広島市に引っ越したのだが、広島の生活は物凄いカルチャーショックだった。
まずカープネタ。
・野球に全く興味のなかった母が、カープが勝つと翌日近所のスーパーが安売りをすることから、プロ野球の試合結果を気にするようになった。
・絵日記にカープのことを描くと、とくに勝ったときのことを描くと、どんな内容でも花丸がもらえた。
・皆、とくに男子がバリバリの広島弁を喋っていて、一人称「ワシ」。こんな一人称を使う子どもが本当にいたのか、が第一の感想だったように記憶している。
・しかも、男子は学校の話題の8割がカープネタ。「山コウ(山本浩二のこと)打ちぉったのぅ!」「おお、すごかったのぅ!」という会話を聞いて、小1の私は恐れおののいたもんね。
私は、広島県営プールで毎週日曜日に水泳を習っていた。県営プールは広島市民球場の隣の敷地にあって、というか正確にいうと帰りに広島そごうが入っているバスセンターまで歩いていく途中に市民球場があって、父が暇な時、月に1回から2回くらいか、水泳帰りにデーゲームを兄と三人で見たことを思い出す。行きは兄と二人でバスに乗り水泳教室、終わりごろに父に迎えに来てもらって、という流れだ。巨人戦は全然入れないから、大抵は中日戦かヤクルト戦。外野席は大人700円、小学生は200円だったと記憶している。
夏休みは、日記に書くことがないから(当時の広島は田舎で、夏休みは学校のプール解放しかやることがない)、母にねだってナイトゲームに連れて行ってもらったこともあった。母は疲れているので、外野席(ベンチ)にゴロンと寝転んでいたことを思い出す。
広島に5年もいると、プロ野球は相当詳しくなる。週刊ベースボール社の出している、プロ野球選手のデータブック(プロ野球年鑑)を愛読するようになり、主要な選手の打率や防御率を暗記していたほどだ(ほかにやることがなかったんですね・・・)。
特に好きだったのは、北別府学⑳、高橋慶彦②。今思えば、イケメンばかり見てたんだ(苦笑)。あと、津田恒美もかっこよかった、早逝してしまったが。
江夏を生で観た記憶はないが、山本浩二衣笠祥雄はいつもいつも出ていた。ホームランを打った後、次の回になってセンターの守備につく山本浩二は、外野席の割れんばかりの声援を受けて輝いていたことをよく覚えている。
一方で、平和のための取り組みがすさまじく、重要事項の暗記に次ぐ暗記と強制的なイベント参加のコンボ。
小学校の校歌のみならず、広島市歌、「原爆ゆるすまじ」、「戦争を知らない子供たち」などやたら濃い歌を暗記させられること。原爆投下からしばらくして降った黒い雨のことや、幟町(のぼりまち、ではなくて、のぼりちょう)小学校の佐々木禎子さんの折り鶴のエピソードは丸ごと暗記。学習発表会でシュプレヒコール並みに繰り広げられる呼びかけ「いっぱつのばくだんで、二十万人以上の人がなくなりました」だって、今でもはっきり覚えている。
毎年8月6日は登校日で、ゴミ拾いしながらの登校、8:15の黙とう、体育館で原爆をテーマにした映画を観たこと。5年生では夏休みの宿題が、原爆投下時に広島にいた(近所の)人から聞き取りをすること。

ハイリスクプラスチックという概念が出てきた

メモ。ハイリスクとは何をもってそう言っているのかをチェック。WWFは用途レベルで根絶すべき、と言っているが、根拠は?

自然環境を汚染するリスクが特に大きいプラスチック製品を特定し、これらを根絶、削減、安全に管理し循環させるために必要な国際的規制措置の導入を提案している。根絶・削減すべきものとしては、プラスチック製の、紙巻たばこ、使い捨て電子たばこ、ウェットティッシュティーバッグ、カトラリー、皿、カップ、被膜肥料等がある。

リスク評価したのだろうか。全文は以下のサイト。

https://www.wwf.or.jp/activities/statement/5314.html

WWF声明】プラスチック国際条約INC-2開催に際し、日本政府に、ハイリスクプラスチックの禁止を含む具体的な国際ルールに基づく条約制定を呼びかける 2023/05/15

2023年5月29日よりフランス・パリで、プラスチックの国際条約の制定に向け、第2回 政府間交渉委員会(INC-2)が開催される。ここでは、国際条約に含める要素や、条約のゼロドラフト(たたき台)に関する議論が予定されており、国際条約の枠組みを方向付ける重要な会議となる。WWFは日本政府に対し、INC-2において、ハイリスクプラスチックの生産や使用禁止を含む、具体的で法的拘束力のある国際ルールに基づく条約の制定を支持することを呼びかける。

ポイントは以下の通り:

・INC-2開催に際し、国際条約において「ハイリスクのプラスチックを特定して生産や使用の禁止や段階的根絶をすることを含む、義務的な国際規制の導入」を132か国が支持

・日本政府は、生産や使用につき禁止のような国際的規制には慎重になるべきだとしているが、規制導入を各国の判断にゆだねた場合、世界で問題解決が進まないことが懸念される

WWFが本日世界同時発表した報告書は、環境汚染リスクが大きいプラスチック製品を特定し、可能なものに対し、禁止や大幅削減を含む国際規制措置を導入することを提案


2022年3月の国連環境総会決議(5/14)では、INCを設置し、2024年末までに、プラスチック汚染を根絶するための国際条約の内容を決めることを目指すこととなった。条約を形骸化させないために、具体的で法的拘束力のある規制等の国際ルール構築を前提に条約を構成する必要があり、2022年12月に閉幕したINC-1では、145か国以上がこれを支持した。INC-2開催に際しての各国の事前の意見提出(サブミッション)においても132か国が、国際条約において「ハイリスクのプラスチックを特定して生産や使用の禁止や段階的根絶をすることを含む、義務的な国際規制の導入」を求めている。

しかし日本政府は、サブミッションにおいて、国別行動計画を国際条約の主軸とすることを主張し、また、生産や使用について禁止のような国際的な規制には極めて慎重な態度を表明している。この場合、最終的に規制の導入や履行を各国の自主的判断にゆだねることとなり、これまでそうであったように、条約発足後も世界的に汚染根絶が進まないことが懸念される。

WWFは、INC-2開催に際し、各国に以下を求めている。

特定のハイリスクのプラスチックを根絶、削減、安全に循環、管理するための、禁止を含む法的拘束力のある国際規制の導入を提案する
汚染リスクの高いプラスチックを、製品群、使用形態、化学物質などから優先付ける
優先付けたハイリスクのプラスチックの中から、直ちに国際的な禁止や段階的削減を行えるものを特定する。対象としては、使い捨てや使用期間の短いプラスチック製品の内、環境負荷や社会経済的負担を増すことなく根絶・削減が可能なものが想定される
開発途上国島嶼国の事情を踏まえた財政支援や技術移転、能力開発などにより、強い拘束力のある施策を、効果的に実行できる体制を構築する
2023年11月にケニアのナイロビで開催されるINC-3 に向けて、事前に具体的な提案を含む国際条約のゼロドラフトの準備をすることを義務付ける
WWFがEunomia社に委託して策定し、本日世界同時発表した報告書では、自然環境を汚染するリスクが特に大きいプラスチック製品を特定し、これらを根絶、削減、安全に管理し循環させるために必要な国際的規制措置の導入を提案している。根絶・削減すべきものとしては、プラスチック製の、紙巻たばこ、使い捨て電子たばこ、ウェットティッシュティーバッグ、カトラリー、皿、カップ、被膜肥料等がある。

そしてWWFは日本政府に対し、INC-2において、国別行動計画主体の条約発足を主張するのではなく、ハイリスクプラスチックの生産や使用の禁止を含む、具体的で拘束力のある国際ルールに基づく条約制定を目指す132か国の側に加わり、さらなるリーダーシップを発揮することを求める。

以上

WWFの特命大使のマルコ・ランベルティーニのコメント:
もし今私たちがさらなるアクションを起こさなければ、2040年までに世界の年間プラスチック生産量は倍増し、海洋への年間のプラスチック流出は今の3倍、累積では4倍となる。これを避けるために、すべての国と企業が公正な競争環境に置かれるような国際的に合意されたルールの下で、連携した方策をとることが必要だ。INCの各国代表は、本日発表する報告書のガイダンスを踏まえ、プラスチック汚染の脅威を断つために包括的で具体的な義務的措置のある国際ルールに基づいた国際条約を発足させるために、協力していかなければならない。

WWFジャパン サーキュラーエコノミー・マネージャー 三沢行弘のコメント:
先のG7札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合における、「プラスチック汚染の国際条約において野心的かつ包摂的な枠組みを目指す」という合意を実現するためにも、ハイリスクのプラスチックの国際的禁止や段階的根絶を含めた、法的拘束力のある国際ルールを主軸とした、実効性のある条約の制定が必要であり、日本政府がINC-2において、これを支持、主導することに期待している。