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タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

福田村事件

森達也=監督、2023年日本
井浦新田中麗奈永山瑛太柄本明東出昌大コムアイ、木竜麻生、ピエール瀧水道橋博士、カトウシンスケ、杉田雷麟
ついに森達也が本気を出してきた。「シモヤマ・ケース」で自分を盛り上げてから観たからか、森さん大好き度合いがさらに増した。
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リンチ(私刑)って簡単にできるのなーと改めて身震いする。竹槍で人が殺せるとは。まあ、瑛太さんは斧だったが(直視できない)。
真実を言っても信じてもらえないことの怖さよ。群衆がYesと言えばYesになる。
あの、デモクラシーの時代でも(1923年、関東大震災)「紙に文字書いている奴は信用できない、いざという時役に立たない!」と叫んでしまう自警団。これを野蛮だとして私たちは笑えようか。
瑛太「鮮人(朝鮮人)なら殺しても良いのか?!」日本人を守るため良かれと思って発した言葉は、周り廻って大きな差別に。これを過去のこととして笑えようか。本当に考えさせられた。
キャストの目ヂカラが誰も彼も強すぎ。瑛太田中麗奈は勿論、ピエール瀧水道橋博士。あと憎まれ役を演じた東出昌大が意外な程カッコよかった。叩かれる人って、半分以上個人的な恨みだなーと。
目ヂカラという点では静かすぎて対照的だったのが井浦新。演出で際立っていた。「かぞくのくに」でも思ったけど、佇まいから何から、本当に素敵な役者さんだ。