Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

ロアン・リンユィ/阮玲玉

スタンリー・クワン=監督、1991年香港
マギー・チャン、ローレンス・ウン、レオン・カーフェイ、カリーナ・ラウ

一九二九年上海聨華撮影所。監督の孫瑜(スウ・トンコン)は「故都春夢」で阮玲玉を主役に抜擢。そして「野草閑花」(30)でも起用し、彼女は母娘の二役を演じ、期待に応えた。その頃、阮玲玉は資産家の息子張達民(ローレンス・ウン)と親密な関係にあったが、彼の両親の反対で結婚まで至らなかった。……一九三一年“九・一八事件”が起こった。翌年、日本軍は中国軍と交戦し、空襲に遭った人々は上海を離れた。上海で待つ母親と養女の身を案じる阮玲玉を慰めたのが茶で富を築いた唐李珊(シン・ハン)だった。当時の政府は反日的な映画の製作を禁止したが、心ある映画人は製作態度を曲げなかった。そうしたひとりの監督蔡楚生(レオン・カーフェイ)との出会いが阮玲玉の運命を左右することになる。張達民は毎月百元を彼女が支払うことを条件に、別れることに同意。唐は達民に侮辱の言葉を浴びせ阮玲玉のために新居を用意した。そのころ女優で脚本家でもあった艾アイ霞シヤが自殺した。進取の気性に富む彼女は三流新聞の中傷の的にされて、社会的に抹殺されたのだ。蔡楚生は、彼女をモデルにした新作「新女性」を玲玉主演で製作することを決意する。完成した「新女性」は新聞記者の間に反発を招き、非難が集中した。さらには玲玉を告訴した。阮玲玉が達民のアパートを訪ねると、新聞記者がつめかけていた。彼女は上海から離れようと蔡に相談するが、彼の態度は意外にも冷やかだった。裁判を控えて強がりながらも、夫人と別れないと告白する唐を見て、阮玲玉はある決意をする……。アメリカ人音響専門家の送別の宴に出席した阮玲玉は、出席者の一人一人と挨拶をかわし、まるで思い出を懐かしむようだった……。そして人々に様々な思い出を残し、阮玲玉は自ら命を絶ったのだった。(映画.comより)

ドキュメンタリー仕立て、というか再現映像付きドキュメンタリーなのかもしれない。作り手の思いが重すぎて、長く感じ疲れた。ストーリー自体がちょっと退屈だったこともある。
しかし、どこから見ても、何を演じても、張曼玉(マギー)は美しい。1930年ころの上海でリンユィを演じるマギーも、役について語っている1990年のマギーも、あまりに美しくて話が頭に入ってこない。これは、張曼玉のためにある映画だね。だから、「マギー・チャン レトロスペクティブ」には相応しい映画だということか。
驚いたこととしては、映画の撮影現場が30年代も90年代もあまり変わらないこと。ワチャワチャしていて、エネルギーと創造性に満ちている。