ホウ・シャオシェン=監督、1981年台湾
作りがシンプルというか、話も構図も普通のため、ちょっと退屈だった。一つ一つのエピソードが脈絡なく感じる、つなぎもイマイチかなー、というところ。
目が見えない青年とヒロインの恋愛物語と思いきや、青年は手術で目が見えるようになり、あれ?(笑)。
ただ、映像は猛烈に面白い。1980年ごろの台湾の様子が。台北、鹿谷、澎湖島、それぞれの風景が良い。都会と田舎の対比。
鹿谷は牛が歩いていて手押しポンプ。小学校で「仰げば尊し」の替え歌を教える。歌詞が謎すぎる。
一方で台北は大都会。駅舎も大きいし、台北國際機場も成田空港のようだった。医科大学は東大医学部そっくりな赤レンガの建物。駅前の喫茶店も日本っぽいし、屋台での朝食。スープを頼むシーンは楽しかった。油条って言ってたけど?そして、家の中、電気釜のキッチュな感じ、日本っぽい。とかね。
こういう平凡な映画なのは、戒厳令が解かれる前だから(検閲が厳しかったから)だろうか。ホウ・シャオシェンも90年代以降、リアル路線に大化けする。時系列で整理するととても面白いのよ。