これもドキュメンタリー。画質は悪いけれどニコニコ動画で視聴。
前々からチェックしていた映画で、30年くらい前に兄が映画館で観て「面白かった」と言っていたもの。
奥崎謙三さんはしつこくてすぐに暴力に訴える、極端な手段に走る骨太アナーキー。そりゃ、逮捕されるよ。
しかしご本人は、逮捕・投獄など何も怖くない。なんといってもニューギニア戦線を生き延びてきたのだから。
そして、ニューギニアであった、でもあってはいけない謀殺の真相を、ただ、明らかにしたいだけ。
もっと流血画像バンバンの過激な映画かと思ったが、画像はまともだった。しかし、よくわからん文脈でいきなり人に暴力をふるう様子、あれはフィクションだったらコメディになる。殴られる人や家族は理不尽極まりないだろうが。
面白かったのは「東大全共闘~」とこの映画に意外な共通点があったこと。奥崎はもちろん、三島も太平洋戦争を引きずって疚しさを抱えながら生きている点。私的な暴力を肯定している点も同じ(レベルはまるで違うものの)。形の上では一方は右翼、一方は左翼と真逆なのに、それぞれ極端な形でしか自己を発出できない。これが戦争の残した爪痕なのかと。