Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

各分野の専門家が伝える子どもを守るために知っておきたいこと

宋美玄ら=著,メタモル出版
・リスク比較ネタの切り口として,こういうのも考えていたから,先越された(クヤシイ)感あり.
・この本は元々”トンデモ科学”に傾倒する母親たちに向けた啓蒙本.全体の読後感は今一つ.著者の先生方は心から尊敬していて,記述内容には肯首なんだが,なぜだ?説教くさいからなのだろうか?(先生方,本当にごめんなさい.でも,感じたこと素直に書く.)
・畝山先生のパートは秀逸(p.122).働く母親への呪文「おかあさんやすめ」「ハハキトク」「まごわやさしい」,この弊害たるや…私もうちの子たちが保育園時代,もらってくるプリントで何度,目にしたことだろうか.そのたびに苦々しい思いをした.
これらは『若い親が良く作ったり食べさせたりする,小さい子どもの喜ぶようなものを「よくないもの」として,おばあちゃんたちがよく食べるようなものを「よいもの」と主張する』ためのスローガンなのだが,マジで呪いの言葉.「科学的根拠はありません」と言ってもらってうれしい.「家で手間暇かけた料理を作ることが親のデフォルト」とかいう考えが,女性の社会進出を阻み,育児家事したい父親に二の足を踏ませているということに,みんないい加減気が付いてほしい.便利なものを程よく使って,適度に手抜きして(それで栄養が偏るとかないから!),よく寝て,職場でも家庭でもニコニコと過ごしている,ってのが一番大事だよ.
・子育てにもリテラシ−を!と帯にあって,それは全くその通りなのだが,元々リテラシーのある人しかこの本読まないってことはないだろうか.…と思ってAmazonのサイト見てみたらこの本,評価が真二つに割れていた.つまり”反リテラシー”派が手に取ってるってことなんだよな,もちろんそれらはひどいレビューコメントだけど.
分断を埋めてく,いや,分断していても対話できるってのが,これから必要になると思う.そういう意味では出版することって意義があるなあと気が付いた.