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タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

カドミウムの排水基準と地下浸透の基準

昨年(2014年)で数回,審議会が開かれ,見直し案が固まったのでメモ.
水質汚濁防止法に基づく排出水の排出、地下浸透水の浸透等の規制に係る項目の許容限度等の見直しについて(報告案)(こちら)

2011年に環境基準(水)が0.003mg/Lになったのを受け,排水基準が0.03mg/Lになる手続きについて.
いくつかメモ.
まず,いわゆる10倍ルール.非常に機械的である.

(前略)全公共用水域に排出される全ての特定事業場からの排出水に対して全国一律の排水基準を適用することとしている。このうち、有害物質については、原則として、人の健康の保護に関する環境基準値の10 倍に設定されているが、これは排出水の水質は公共用水域に排出されると、そこを流れる河川水等により、排水口から合理的な距離を経た公共用水域において、通常少なくとも10 倍程度に希釈されると想定されることに基づくものである。

地下浸透に関しては排水基準値据え置き(0.01mg/L→これは,以前の水環境基準).平たく言うと,厳しくしちゃうとその濃度まで確からしく測定できない(適切な測定機器を持っていない事業所が多い)からってことで.しかし,いつまでに「再度検討」するんだ?

地下浸透規制及び地下水の水質の浄化措置
(前略)当面の間、現行の水準のまま据え置くことが適当である。ただし、本検討結果は暫定的なものであり、今後、地下浸透基準の設定方法のあり方を見直す機会において、合わせて再度検討すべきである。

排水基準が一律0.03になるかと思ったが,暫定排水基準(厳しくするまでの猶予期間を設ける)のある業種がある.亜鉛の前例に倣ったものと思われる.0.08とか0.09とか数字が微妙すぎるが,業界がエビデンスを示して許容できるライン(→裏を返せば,実際この濃度をどのくらいの頻度で超過しているか)を出した結果だと思うけど,そのエビデンスは見ることができない.

・金属鉱業(暫定排水基準値:0.08mg/L)←注:2年間の猶予
非鉄金属第1 次製錬・精製業及び非鉄金属第2次製錬・精製業(亜鉛に係るものに限る)(暫定排水基準値:0.09mg/L)←注:3年間の猶予
・溶融めっき業(溶融亜鉛めっきを行うものに限る)(暫定排水基準値:0.1mg/L)←注:2年間の猶予

おまけ:この表↓,便利なのでメモ.とくに2枚目.
地下浸透基準の設定について(こちら)