Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

六価クロム:水質環境基準健康項目の基準値見直し

水質汚濁に係る人の健康の保護に関する環境基準等の見直しについて(第6次報告案)
https://www.env.go.jp/council/49wat-doj/y4911-19b/mat02.pdf


平成 30 年9月に、内閣府食品安全委員会において、六価クロムのTDIが 1.1 μg/kg 体重/日と評価されたことを受けて、令和2年4月に水道水質基準の基準値が 0.05 mg/Lから 0.02 mg/Lに改正された。このような状況を踏まえて、水質環境基準健康項目の基準値の見直しを行った。

**中略**

1)基準値の導出根拠
内閣府食品安全委員会において、2年間飲水投与試験においてみられた、雄マウスの十二指腸のびまん性上皮過形成に基づき算出したBMDL10 値 0.11mg/kg 体重/日を基準点とし、不確実係数 100 を適用して、六価クロムのTDIが 1.1 μg/kg 体重/日と設定された。また、水道水質基準の改正においては、食品中のクロムは三価の状態で存在するとされているが、飲料水以外からの六価クロムの摂取経路が確かに無いとは言えないため、水の飲用の寄与率は 60%とするのが適当とされた。これらの結果を踏まえ、六価クロムのTDI1.1 μg/kg 体重/日に対し、水の飲用に係る寄与率を 60%、体重 50 kg、1日当たりの摂取量2L/日として、基準値を 0.02 mg/Lとした。

******
この資料のP12-13 (PDFでは13-14枚目)は、公共用水域、地下水における検出状況で、要するに新基準超過割合。超過割合は0.1%を下回り、近年の公共用水域に至ってはゼロ。

本表における「有効測定地点」とは、測定地点のうち定量下限値が基準値 0.02 mg/L以下である地点を意味する。

測定の精度はもうちょっと何とかならないのかと驚く。「有効測定地点」が全体の97%(公共用水域)、95%(地下水)しかない。公共用水域モニタリングデータ(六価クロム)では定量下限値が0.02 mg/Lという地点もかなりあったと記憶している。ということは、定量下限値が0.02 mg/Lかそれ以上である測定地点が1割くらいあるということ。
基準値の10分の一の濃度まで測定できる精度を担保するのが普通なので、このデータで判断してもなあと思わなくもない。
検出されたら即環境基準超過、という状況では、現場の人はおっかないだろうな。