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タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

『しかし... 福祉切り捨ての時代に』

是枝裕和さんがテレビマンユニオン時代に制作したドキュメンタリー.
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こういうのがネットでしかも無料で見られるなんて,一体誰に感謝したらいいんだろう.

1990年、水俣病和解訴訟で国側の責任者だった環境庁のエリート官僚が自殺した。山内豊徳、53歳。長年にわたり福祉行政に取り組んできた彼が、なぜ自ら死を選んだのか? 現実社会に押し流されていく時代の中で、もがき苦しんだ一人の官僚の生と死の軌跡を辿る(Youtubeにあった解説より)

バブル絶頂期に,こんな地味なドキュメンタリーがあったとは...

切り取られている風景は「誰も知らない」を彷彿とさせる,やっぱり是枝監督の作風である.
森本レオさんの温かく淡々としたナレーション,構成も淡々としていてバランスがよい.
インタビューされている人たちも,誰一人過度な主張をしない.そこが泣ける.