Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

1,4−ジオキサンをほかの物質に代替する必要は,本当にあるのか

1,4−ジオキサンの環境基準が設定されたことをうけて,その排水基準の設定や特別管理産業廃棄物への指定について,中央環境審議会排水規制等専門委員会で審議されている.取り上げられた理由は,
・これまでに公共用水域や地下水における基準超過実績がある
・近年、製造・輸入量が増加傾向
だからだそうだ.
1,4−ジオキサンのリスクで最も問題となるのは飲料水経由の摂取→発がん.
しかしながらそのリスクは小さく,対策の必要はなし,という理解だった.
排水基準の設定は環境基準ができてしまうと自動的にできるので普通の流れだなあ,と思っていたのだが,資料をよくみると,

各業界・事業者において、原材料を1,4-ジオキサンから別の原材料に代替することや、1,4-ジオキサンの副生成を抑制する等の対応をしているところである。

とある.これらの対応は中長期的なもの,ということだ.それにしても,代替しても下がるリスクはほぼゼロだ.費用は大丈夫?
基準ができてもそれはそれ.関連業界はリスクとコストをきちんと示して,「代替は割に合わないので」とはっきり言ったほうがいい.