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タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

若者殺しの時代

堀井憲一郎=著、講談社現代新書
某アルファブロガさんーがおもしろかったと書いていたので買って読んでみた。
若者が金儲けのターゲットとして本格的に狙われ始めたのが1983年、という節目をananの記事から線引きしたことはなるほどと思う。
ただ、自分の感覚とはかけ離れてる。自分はバブル期に高校生。崩壊直後に大学生。お金はぜんぜん使わなかった(お金ないから)。経済って、自分が相応のお金を出して時には痛い目にあって初めて、血となり肉となって理解できるんだよね。だからその時代の世相がぜんぜん実感できない。勉強になってへぇ〜というだけだ。だからバブルなんて、私らの年代の普通の人にはどこか遠い国のお話なのでは?
ディズニーランドでデート、高級ホテルでクリスマス・・・今、そんなバカみたいなお金の使い方をする時代でなくてよかった、と心から思う。
堀井さんは若者たちには逃げろ!と説き、「日本文化に精通すること」を処方箋として挙げている。けど、私は逃げなくてよいと思う。見ず知らずの他人に乗せられてお金を使うのを止めること。自分の足で自分の好みを見つけてそれを追求すること。そして矛盾するようだけれど、その見つけた好みを見ず知らずの人に発信すること。
人間って、数え切れない属性を持ち、いろんなシーンを生きることができる。特にネット時代、自分の人格(属性)をごく一部ずつ開示することができる。だから、他人にはまねできないとんがった趣味でも嗜好でも積極的に関わって他人とシェアする、ってことがぐっと容易になった。そう考えると、現代の方が濃い人生を送りやすいのではないかな。すっごく楽しそうじゃん!だから私は逃げない。