Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

「何も選ばない」生き方のすすめ〜NBonlineより

最近いいなと思ったコラム(リンク).宗教人類学者の植島啓司さんのインタビューなんだけど,この方,東大の宗教学科をちゃんと卒業して博士まで取得している.東大の宗教といえば大抵ドロップアウト路線を邁進する(失礼!でもかなりの確率だと思うぞ)から,卒業できてるだけでもすごい! 

この40年間で100か国以上を旅してきましたが、日本ほどいつも何かに強迫されている国はありませんね。世界有数のストレス社会であることは間違いありません。

共感.私もバングラデシュで感じたよ〜,選択肢が多いということがいかに強迫を生むかということ.今だって「主体的に選択するの自体疲れたよ!だれかガラポンで私の人生決めてくれ!それには黙って従うからさあ」って思うことがある.

それに対して,バングラデシュの農村部の人々は,毎日生きるためのタスクと戦っていて.女性ならそれこそ,朝起きてから寝るまで18時間ほど,水を汲んで火をおこし食事を作り,掃除をし,豆の莢を剥いたりなどの下ごしらえをし,服を繕い.ホント,一瞬たりとも休む時間がない.毎日同じようなことを「思考停止じゃない?」と思うほど愚直にやっている.首都(ダッカね)に遊びに行きたいとか,勉強して今の生活を抜け出したいとか,そういう選択肢がそもそもないのだ.テレビで,豊かな人の生活を垣間見る機会があれば違ったのかもしれないが,幸か不幸かテレビもなかった.日本からやってきた私たちを見る目は,最初はまるで宇宙人を見るようなものだったし.

でも,毎日笑顔で,気持ちにすごくゆとりがあるんだよね.人を信じることを恐れないというか(日本では,「要は何も考えてないんでしょ?」って言ってしまうシチュエーション).そういうの目の当たりにすると,幸せって何?というベタなことを,どうしても考えてしまう.何も選ばないことは,幸せに生きる大事な秘訣なのだと直感した.