昨日は近所に住んでいるインド人研究者のお家にお邪魔して，夕食をいただいてきた．
その方，アロックさんは私とは違う公的機関研究所にお勤めなのだが，インド料理屋で偶然席が隣になって，名刺交換（夫がヒンディー語で話しかけたことで盛り上がっただけなのにこの親密さ）．数ヶ月音信普通だったけど，「ホームパーティーするからいらっしゃい」とメールが来て，二つ返事でOK．アロックさんちまで自宅から徒歩30秒．ロケーションも抜群だ．
先週から夫と子どもたちが山形に行っていて，単独の参加となる．アキちゃんはインド料理苦手（インド人もちょっと苦手，インドで頬ずりされまくったトラウマ？）なので，むしろ子どもたちがいたほうが参加を躊躇したかもしれない．
料理は決して豪華ではなかったが，素晴らしかったの一言に尽きる．写真に撮っておかなかったのが痛恨だ．カレー5種類（チキン，豆，パニールとポテト，トマト風味，・・），サフジ（カレー味ポテトサラダ），チャパティーはカレー味ポテト入り，バスマティ米．どれも激ウマ．「つくばのインド料理屋より美味しいでしょ」とアロックさん．確かに〜．全体にベンガリ風であまり辛くなかった．深みのあるスパイス，何種類入っているのだろう，全部言い当てられたらすごいなあと思うくらい複雑な味だった．
参加者は私以外全員インド人で，非常に濃い集まりだった．インド人大人11人，子どもが2人（アロックさんの息子さん中学2年，他の方の娘2歳）．みんな声が大きくて，壁の薄い公務員宿舎では隣からクレームが付くのではないかと私はヒヤヒヤしながらも楽しく会話．アロックさんの息子さんは日本の小学校に6年間通っていたので一番日本語がうまいけれど，お年頃なのか，食べるだけ食べたら自室でPSP．こんな大人の会話なんかつまんないよね，わかるわかる．
参加者の皆さんは出身地は当然バラバラだったが，この場の公用語はヒンディー語だった（母国語はウルドゥー，ベンガリ，テルグだとか主張してたくせに，ヒンディー語普通に喋ってる）．日本語ある程度喋れる人も半分くらいいたけれども，この場は母国語を存分に喋るサロンなのよねと納得して私も相槌だけヒンディー語．理解率５％以下．適宜，日本に20年いて帰化したご夫婦（2人とも私と同じ研究所勤務）が通訳してくださった．日本語検定何級に合格しただの，インド人が大好きなジョーク（出身地ごとにからかい方がある）だの，次期アメリカ大統領はオバマかだの，つくば市の市議選で当選した外国人はどういう経歴だ，だの．マアよく喋ることあるわね，皆さん．「2歳の娘が日本に来て5ヶ月だが，早速中耳炎になった，英語が喋れる医者教えてくれ」とか切実な話題も．在日20年のお父さんが「つくばはそういう意味でラッキーだ，英語OKな医者はたくさんあるぞ，今リスト書くから」とか即答．インド人コミュニティーはなんだかんだで最強なのであった．
私はヒンディー語は文章10コくらいしか喋れないが，言うと皆さん褒めてくれるので（ていうかウケていただけ？），アッチャーカーナー（美味しいご飯ですね），パニジャヒーヘー（水を下さい），2歳の子を見てスンダルヘー（可愛いですね）．あと，好きな映画俳優の話で小一時間盛り上がれた．ボリウッド映画バンザイだ（みんなシャールク・カーンが好きだったのにはびっくり）．
中盤，お約束の長老の歌．西ベンガル出身の方がラビンドラナス＝タゴールの歌を歌って，そのときばかりは皆姿勢を正して聞く．バングラディシュの農村にステイしたとき私も頻繁に経験したパターンだ．そのときのことを思い出して私が「ションギット，ね？」と聞くと，その方は相好を崩された．即座に「ションギット，はベンガル語で，ヒンディー語ではサンギットだ」とか突込みが誰かから入る．こういうリアクションもインドっぽくて面白い．
ちなみに，西ベンガル出身の方は御年70くらいか．息子が研究者で，孫＝2歳の女の子＝の面倒を見るために一緒に来日しているそう．3世代でつくばに住む，って言うパターンもありなのね．
だんだん眠くなってきてヒンディー語を聞く気力もなく，英語も素通りするようになって日本語でコメントを返し．皆さんも同様に眠そうだった24:00直前にお開きになった．ありがとうございました．
驚いたことに今日の参加者の半分以上が歩いて5分以内のところに住んでいる．つくばの公務員宿舎恐るべし．アロックさんからは，オノさん（夫）が参加できず残念，次回是非と何度も強調された．やっぱり，サンスクリットを理解する人，というのはインド人の憧れの対象であるらしい．つくば在住もあと数ヶ月の我が家だが，その間に何とかもう一度家族で訪問したい．映画のDVDも借りちゃったしね．
