Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

命日

1993年10月31日,彼が亡くなった.二十代になったばかりの私はどうしようもなく混乱したし,その混乱は今も静かに続いている.

出会いは私が中学2年のとき.彼は全然笑わなかったけれど,たまに見せる寂しそうな笑顔に文字通り瞬殺であった.
”Stand By Me”のくわえタバコのシーンは衝撃で,この世のものとは思えないカッコよさだった.それから追っかける,追っかける.貴重な笑顔が見たくて・・・

彼と話すチャンスがあるかもしれないと英語を必死に勉強したっけ.あんな勉強でよくも,と思うけれど,おかげで大学も合格することができた.恋というモチベーションはすごい.

死因は薬物乱用ということだが,真相は明らかではないらしい.あんなにストイックな彼がなぜ死ななければならなかったのか?彼はアメリカ社会に殺されたのではないのか?急速に広がる不信感の元,アメリカに対する興味と憧れを失っていった.もう彼とは話せないのだと.私も変わらなくてはならないと.あの日,コトリと音を立てて大人になったような気がした.

今,彼が生きてたら・・・未だに涙が溢れる どうして?

River Phoenix 享年23