Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

みんな大好きウォン・カーウァイ

4Kリマスタリングが花盛りということで、ウォン・カーウァイ作品も例外ではない。下高井戸シネマで「いますぐ抱きしめたい」「恋する惑星」の4Kレストア版を鑑賞。
このどちらも1998年頃に観ている。この頃、私の体の中の85%はウォン・カーウァイでできていた。四六時中飛び跳ねていたくなるエネルギーをウォン・カーウァイからもらっていて。
21世紀はアジアの時代、そう信じて疑わなかった。
「就職したら、2泊3日の香港弾丸ツアー行って、アンディ・ラウ金城武の映画を全部観てやるんだー!」と思っていた20代。甘酸っぱく思い出すのである。。。
今、アラフィフとなってしまったが、そんな女子は、多かったのではないだろうか。みんな大好きウォン・カーウァイ

いますぐ抱きしめたい
ウォン・カーウァイ王家衛)=監督、香港(In-Gear Film Production)1988年
アンディ・ラウ、マギー・チョン、ジャッキー・チョン

以前見たはずなのに、記憶にあるのと違う(笑)、エンディングの音楽をアンディ・ラウが歌っていたのだが、以前のバージョンは違ったと思う。。。
エピソードでも、前半にアンディが彼女を妊娠させた、というのが出てきたが、全く覚えていなかった。チンピラの人間関係は、前に見たときも、今回も全く覚えられず(トホホ)。しかしだね、マギーが美しすぎて全てがどうでも良くなる。
あと、今も昔も大号泣したのは、例の長回しのキスシーン。電話ボックスに無理やり連れ込むアンディ様はさすが。全部1カットで、さすが。カメラはクリストファー・ドイルかな?このシーンの音楽がトップ・ガンの主題歌の中国語カバー、林憶蓮 Sandy Lam「激情」だそうな(インターネットってこういう調べ物が本当に便利だ)。チープだが、彼らの雰囲気を盛り上げる音楽としてピタリなのよね。
そしてアンディ様がベッドに座って、マギーにも座れとベッドをポンポンする(もちろん、マギーは無理やり座らせられる)のもさすが。こういうシーンが、泣けるのである。
マギーは肺病の疑いありなのにタバコを吸っている、おかしいだろ!とは思うが、アンディにあこがれて、彼のことを少しでも知りたいという描写なのかな、と思うとまた、泣けるのである。
ストーリー自体はチープ、というかよくあるチンピラの兄貴と弟の友情話。敵対するチンピラ組との抗争。殴る、ナイフで刺す、大量の流血、割れるガラスと目を何度もそむけざるを得ないが、何故か、とにかくアンディ・ラウがかっこいい。なんで白いTシャツとシンプルなジーンズしか身に着けていないのに、あんなにかっこいいんだろう。そして喧嘩が圧倒的に強い。
弟分のジャッキー(張國榮)は、これがひたすらダメなヤツ。兄貴に尻拭いさせてばかり、なのにカッとなったらすぐ喧嘩。アンディはなんでこいつと縁を切らないのか!とヤキモキする。
カタギに戻る手始めとしてジャッキーが路上で焼き鳥屋始める、というのも笑っちゃうし、ジャッキーが資金を詐欺で集めてあげて舎弟に結婚式を挙げさせるとかもう、メチャメチャ。だが、アツイ。
あー、この頃の香港行きたかったー!


恋する惑星
ウォン・カーウァイ王家衛)=監督、香港(澤東製作有限公司)1994年
トニー・レオンフェイ・ウォン金城武、ブリジット・リン
1998年以来2回目。澤東製作有限公司Jet-Tongのあのロゴを見ただけで目から汗が。連休中とはいえ下高井戸シネマがほぼ満席。みんな大好き王家衛!!
配給会社が、PrenonH(プレノンアッシュ)じゃなくなってて胸がきゅっと締め付けられたけれど、我が青春の王家衛は健在。金城武!、梁朝偉!、林青霞!、王菲!(香港人の名前は感じで書かないと雰囲気が出ないので漢字で失礼します)。
パスワードは一万年愛す
色々忘れてたけど、20代に観たときより文脈も言葉もはるかによくわかった。香港にLoftがあったのかー?
言葉も面白い。金城武と林青霞のパート、二人が北京語で会話してた(金城くんは台湾アクセントの)。小吃店でも重慶大厦でも、インド人の存在感が圧倒的(インド人比率の高さは異常)。彼らはヒンディー語も廣東語もできるのね。林青霞は麻薬取引で騙されて、逃げる隠れる。ああ、私はあの金城くんのネクタイになりたかった(謎)。
後半の梁朝偉王菲パート。なぜ梁朝偉はパンイチなのかは謎。やっぱり、香港は暑いんだろうな。小吃店のオヤジはだれ?絶対知っている俳優さん。
4Kレストア版は、やはりちょっと記憶にあるのと違うようで、あの長いエスカレータ乗っている王菲のシーンが、なかったんだよな。
あー、でも本当に本当に、この頃の香港行きたかったー!