Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

京都新聞ニュース

この記事に「六価クロム」が「発がん性物質」として書かれていることに対してイチャモン.
たしかに,「六価クロム」は「発がん性物質」なのだけれど,それは空気中に存在している形態のものを吸入した場合のこと.土壌汚染の場合は吸入でなく飲料水として摂取する(経口暴露)可能性が圧倒的に高い.かつ,経口暴露の場合はがんが生じるとした既往の研究や試験結果はない.ということは,この場合は発がんに至る可能性が極めて低いはずなのだけれど.
こういう(悪気がないくせに真実を伝え切れていない)新聞記事が,実は一番困る.いちいち声を上げていたら身が持たないが,気がついたので書いておく.

汚染の原因は何かと思ったら,1960年代に行われていた「養豚や自動車解体」・・・河川敷っていろいろなことが行われるのね,と感心.鉛やテトラクロロエチレンなら養豚よりも自動車解体かなぁ.

                                    • -

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007121300077&genre=H1&area=K1G
Kyoto Shimbun 2007年12月13日(木)

鴨川河川敷で鉛検出
京都府が覆土処理を決定
 京都市南区上鳥羽塔ノ森の鴨川と西高瀬川に挟まれた河川敷で有害物質が検出された問題で、京都府は12日、鉛が出た約2000平方メートルを覆土処理するなどの対策を発表した。早ければ本年度内に着手する。

 鉛は平均で基準値の約10倍(土壌1キロ当たり150ミリ)、最大で約100倍を検出したが、府は「直接摂取しなければ害はない」として、厚さ50センチの覆土処理を決めた。

 基準値の約10倍の六価クロム、同約4倍のテトラクロロエチレン(いずれも発がん性物質)が検出された別々の2区画(1区画約100平方メートル)では、深さ0・5−3メートルで土壌を入れ替える。

 この河川敷では、1960年代ごろから民間業者が養豚や自動車解体などを行ってきたという。

 府は9月末の問題発覚後、専門家会議(座長・寺島泰京都大名誉教授)を2回開いた。処理後、芝生広場や遊歩道などを整備する予定で、河川整備管理室は「対策を取れば子どもらへの影響はない」としている。