Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

中村修二さん

つくばで、某研究所の一般公開があり、中村修二さんが講演に来るというので聞きにいった。彼は青色発光ダイオードを世界で初めて作った人。技術者の報酬大幅アップとかの過激な発言もあるので、どういう面白いことを言うのかというミーハー気分で行った。

感想:フツーの四国のおじちゃんだった。現在UCサンタバーバラの教授だが、いい意味で、アメリカでは浮いているのでは?それにしても、ものづくりやってる人って、できれば勝ち、できなければ負け。それだけのシンプルな世界で、勝ち上がってきた強さがある(だからアカデミックな世界とは少しなじんでない)。
入社して6年、ガリウム燐の結晶成長の実験を毎日毎日、月1で爆発事故、ってあっさり言っていたけど、よく命が持ったなあ。そして、ウチの研究所だったらそんな実験即刻中止。四国の田舎企業(失礼!)だからできたのかも。
彼自身のパーソナリティーとしては、押しの強そうな印象は受けたけど、英語はあまりしゃべれなそうだし(それでも教授にしてしまう米国の大学ってすごい)、なにより「米国の食事は最悪、アジアの食事とは比較にならない」と言っていたので、ものすごく親近感を持った。
才能は関係ない、努力すれば、(そして運がよければ?)一流になれるのだと強く思った次第。
フロアーからの質問では、日本の教育システムについてどう思うかというものが多かったが、中高で理科嫌いになるんだから大学受験システムをやめて・・という見解だった。なるほどと思ったのは「米国人は小学生のまま大人になるので、大人でもサイエンスに対する興味を失っていない、電車の中で一般人が科学雑誌を読んでいるので驚いた」と言ったこと。それは、ハリウッドのSF映画を観ていて私も思ったことと一致。しかし、「小学生のまま大人になる」のは必ずしも褒め言葉ではないと思うのだが(苦笑)。