Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

シン・ゴジラ

庵野秀明=監督,日本2016年(東宝
観てきた!いや〜面白かった.見どころ満載,細かいツッコミも満載だわ〜.お役所仕事あるあるとか共感(?)しまくり〜.
自分的にはこの間,大田区呑川の近くを歩いて蒲田駅に行ったばかりだったので,「あそこにゴジラ来ちゃったの?!」と映画館で軽くパニックになりましたw
長谷川博己が実年齢39歳?この映画のなかでは40代後半くらいに見えた(私の思い込みもあるかも.実際の官僚では,エネルギッシュにお仕事する年齢&あれだけの決定権を持つ年齢はやっぱりそのくらいだから).
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2016年12月追記
9月に映画館で観たにもかかわらず,このたび飛行機の中でも観ちゃった.2回目は正座して(ウソ)メモを取りながら.オリジナルのゴジラ映画には全く興味がなかったのだけれど,2回目ですらここまで目を釘付けにさせるとは庵野秀明恐るべし.超・個人的な見どころをまとめておきます(かなりネタバレです).

・冒頭から文字での説明(キャプション)が続くんだが,これが往時の東宝特撮映画,ウルトラQ(?)によくあったフォント.そのレトロさにウルウルとくる私も相当アレだ.この細部へのこだわりっぷりにまずやられた.
内閣官房副長官矢口蘭堂長谷川博己)のキレキレっぷり.空気を読めと進言する首相補佐官竹野内豊)の忠告にもかかわらずやりたいことを貫く矢口に,思わず「こんな骨のある奴日本にいないよな〜」と口に出してしまう.
・関係閣僚会議は非常事態で大混乱の中,てきぱきとTo doの指示を出す矢口に対し,ほかの閣僚が「それ,どこの役所に言ったの?」このセリフ,あるあるあるある!「こんな事態なのに会議開かないと動けないことが多すぎる」はまさに日本の意思決定機関に対する皮肉で,「マニュアルが見当たりません」「防災マニュアルはいつも役に立たないじゃないか」というやり取り,総理が不安そうに「今ここで決めるのか」「聞いてないぞ」というセリフも,あるあるあるある!
・やたらと長い名称を漢字三文字にしちゃうお役所文化もちゃんと反映されていたことに大受けした.巨大不明生物特設災害対策本部が「巨災対」,しかも最初に耳で聞いただけなのに一発で脳内漢字変換できてしまう自分にも危機感(笑)を覚えた.
・立川の防災拠点で「ヤシオリ作戦」が遂行されていくんだけど,そこで用意される数十台のノートパソコンが全部〇ナソニックの〇ッツノートなのもウケた.霞が関って,実際そうだから.
・関係閣僚会議には,50人くらいいるんだけどその中で女性が一人.もう,明らかに男女比が不自然.せめて15人くらいいないとおかしいなぁと思う反面,これが日本の真実なんだなぁと,どよーんとする.たった一人の女性は余貴美子が演じる防衛大臣でこれはこれでハマっていた.他方,米国からやってきた調査団は5人中女性が2人いて,やっぱりこれが普通だよなと.ほんと,日本どうしたらいいんすかね.
・この映画の潔いところと言えば,総理を始めほとんどの閣僚が乗ったヘリがゴジラの発する光線であっさりと撃ち落とされ,全員死亡しちゃうところ.それでも国は回ってくんだ〜とある意味感心してしまった.総理代理は外遊中だったため死なずに済んだ農水大臣が就任.しかしこの人,あきれるほど日本的な話の進め方をするオッサンで,英語はできない,相手国にひたすら首を垂れるしかできない,結局ラーメンがのびたことしか頭にないとか.皮肉を通り越して日本が心配になった.うん,でも矢口蘭堂さんが偉くなって,きっと日本は良くなっていくよね!
・ということで,日本(霞が関)の現状がリアルすぎるくらい表れていて目が離せない作品.日本の立ち位置やこれからの行く末を見つめ直すための上質な教材として,とっても面白かった〜!!