Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

やっかいな放射線と向き合って暮らしていくため基礎知識

田崎晴明=著,朝日出版社
これは良かった.まとめ方(章構成)がよいと,同じことを書いてもこんなにわかりやすいのか!と目からうろこ.
また,提供する情報のレベルがきちんと精査されている.明確なターゲット層がイメージできているということ.書きたいことを思いついた順に並べた(普通の書籍はだいたいこのパターンだ)のとは違う.
田崎さんのいいところは,「リスクの感じ方,それへの対処の仕方は人それぞれであり,それでよい(それがよい)のだ」と言い切っているところ.「議論?大いに結構!」みたいなスタンスも気持ち良い,それが本来あるべき姿なのだ.
人の心の根本のところは動かせないし,結局最後に決めるのは自分なのだから(リスク問題にせよ何にせよ).
(131201追記)
この本,放射線への根本的な理解が足りていない私にとってのバイブルになっている.大間違いしそうになったら,または頭が混乱したらすぐ手にとって読む.そうすると落ち着くというか,基礎から積み上げる感じで理解が戻ってくる.光子ってどんだけちっちゃいんだ!とかツッコみ,それなのに生体のバランスを脅かしてしまう威力にまた驚く.このギャップは,ずっと放射線の話を見ていると忘れる.この驚きを取り戻すため・・・.