Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

ず〜っと移動

次女と長い旅に出た.といっても高々1週間だが.
最近,極力公共交通機関を使うことにしようと決めている.自家用車では見えてこない風景がある(かも).
1)長井から山形
路線バス,所要時間1時間.思ったより客はいたがそれでも延べ10人ってとこか.長井から山形まで乗ったのは我々を含めて3人だけ.客は我々以外全員50歳以上.車内広告が「詳細はHPをご覧ください」って.乗客でHPを見れそうな人はほとんどいないよって突っ込みまくり.この路線、近いうちに廃止になりそうだ.
2)山形から埼玉
山形新幹線にて大宮へ。オサイフ携帯をゲットしたので乱用しまくり.モバイルSuica特急券の操作は極めて簡単だった.初めてのくせに乗車変更したし.山形新幹線E3系主体になってからずいぶん快適になった。リクライニングはもちろん、フットレスト、読書灯、AC電源もつく.飛行機のファーストクラスより快適で次女が眠ってしまえば無敵だが,寝ないんだな,これが.
3)東京
○ヤノンのデジカメの調子が悪く,御徒町にある修理センターへ.電池の接触が悪く出力を保てないとのことで,メンテしていただきました.保障期間が切れていたにもかかわらず無料.ブラボー!
修理センターで次女はベビーカーでキョロキョロしていた.係の女性は後ろで暇そうにしていたにも拘らず,次女に話しかけてこない.やはりここは日本だと実感した.韓国だったら仕事放っぽり出して赤ちゃんを構いに来るからね.
秋葉原は日本人より中国人観光客の方が多いくらいだった.ちょうど中国は春節のGW.東京も無国籍化が進んでる.いいことかもしれない.
4)鹿児島へ
鹿児島〜熊本を旅行することにした.もちろん次女つきだが,シッターとして鉄な実兄を連れて行った.交通機関の選択は兄にお任せしたが,鉄ちゃんらしく,全てが公共交通機関.赤ちゃん連れだからタクシー使って欲しかったが,そういうのは邪道みたい.
鹿児島空港から出水までリムジンバス1600円.結構ヘアピンカーブだったが,鹿児島の山間部の風景をじっくり観察することが出来た.これがシラス台地か、本州に比べて山が何となく荒れている.太陽熱温水器の普及率が異常に高い,ほぼ1世帯に1台の勢いだ.太陽熱温水器の県別普及率データで確認してみよう.
肥薩おれんじ鉄道,出水から水俣まで490円なり.九州新幹線が開通したことと引き換えに,なんと鹿児島本線の一部がJR九州から切り離されて第三セクターになってた.その露骨なやり方にショックを受けた.出水駅九州新幹線側はきれいなのに,在来線は無人.格差を感じるぜ.
5)水俣
公害問題はずっと興味があったが,水俣には行ったことがなかった.理由は交通が不便すぎるからだと思う.学生の分際で18切符で行くには,東京からでは遠すぎた.飛行機+九州新幹線という最速ルートで来ても半日かかる.今回は在来線利用なので丸1日かかった.なにやってんだか.
水俣は路線バスが不便すぎて,かつ割合と小さい町なので水俣病資料館まで歩く.次女はベビーカー.南国の日差しが強くて,日焼け止めを持ってきてよかった.しっかしこんなにも分かりやすい企業城下町は初めて.水俣駅前にチッソ水俣工場の正門が・・・歩いたおかげで水路の様子,山の高さなど土地勘はついた.
水俣は非常にのどかなところで,海は穏やかで美しく,公害問題で今も苦しんでいる人がいるなんて信じられなかった.資料館では直視するには辛い資料もあったけど,改めてじっくり勉強.
水俣の夕食は地元の居酒屋。きびなごは刺身に加えて天ぷらがでてきた。甘い出汁に大根下ろしを加えた色のない天つゆにつけて食べると非常に美味。刺身はそのほかに鯛、マグロ、ハマチなど。太刀魚の塩焼き。豚肉の鍋物、サザエの酢醤油、里芋塩ゆで、辛子レンコン、小ジャガイモのバター炒め、茶碗蒸し、里芋といかの炊いたん.2000円のお任せコースだったが、コストパフォーマンスは最高.
6)熊本へ
肥薩おれんじ鉄道とJRを乗りついで熊本へ.途中,竹崎季長の里という看板があって兄と「それ誰だっけ」的会話を.蒙古襲来のときの御家人だそうな.
沿線は豊かな熊本平野.山形でもいつも感じるが,農業頑張ってくれ!という思いで幸せになる.あまりに平和な光景に,次女と一緒にうたた寝
7)熊本県高森町へ
お鉄に旅程を組ませると,こちらは下調べが不要なのはありがたいが,こういうところに連れて行かれるのが難.熊本市内の新水前寺駅からJR豊肥本線立野駅から第三セクター(またかよ!)南阿蘇鉄道.でも,面白かったぞ,南阿蘇鉄道はトコトコと山を登っていく可愛らしい鉄道だった.
終点の高森は,例えて言えばスイスのような「自治」「自立」の町,悪く言うと「内輪で盛り上がってる」ような町.すっごく不思議なのはこんなド田舎なのに栄えている(寂れた感じがしない)ということ.産業もたいしたことないし観光業もそれほどではないのに豊かに見える.水は確かに美味しかった.阿蘇山の恵みは大きい.
8)熊本空港〜東京へ
高森町から熊本空港に,なんとバスが出ている!阿蘇山の外輪という多少高いところを走るので,この車窓からの眺めもカルデラ大地を一望できてよかった.ここでも阿蘇山の恵みを実感.
熊本空港ではお土産品の試食・・・変わったものは多いが,個人的に美味しいと評価したものは特になし.
次女は飛行機に強いらしく離着陸も何のその,ずっとグウグウ寝ていた.いい子で助かった.
9)山形(長井)へ
帰ってきて「やっぱり家が一番!」と思ってしまった.1年も住んでいないのに・・・実家@埼玉より落ち着くのはなぜ?そして,食べ物は山形が一番うまい.舌が保守的になってきたのかもしれない.