Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

それでも,日本人は「戦争」を選んだ

加藤陽子=著,新潮文庫
序章のインパクト大.「戦争とは相手国の憲法を書きかえるもの」byルソー,←かっこよすぎません??18世紀の人間がこれを見抜いている.
War Scare,という考え方.支配国と被支配国があるとこういう考え方が身近になる.「『普段虐げられている人々・民族が,いざというとき襲ってくるかもしれない』と考えること.それに備えて予め武装しておくこと.」なのだが,日本人と朝鮮人の関係,19世紀末の米国と中国人もそうだし.ふと思ったんだが,これ,マイケル・ムーアの映画に出てきたのでは?War Scareはアメリカ人の考え方そのものともいえるかもしれない.
日露戦争前後の変化も面白かった.当時選挙権を持てる人は納税額○○円以上,という縛りがあったから,日露戦争戦費調達のために増税,納税額下限値引き下げ,などが相まって有権者が劇的に増えた.それに伴って実業家を議員として送り込もうという変化があった.今は立候補する議員の質がこのような理由で変化することはないから,この指摘は新鮮.