Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

ツレがうつになりまして。

佐々部清=監督,2011年日本
飛行機の中で観て泣いた,映画としては☆2つというところか.
題材としてはとてもよかった,私の周りには躁鬱病に苦しんでいる人がパッと思いつくだけでも3人いて,そして夫か私もかかるかもと思うと入れ込んで観てしまった.闘病ものは私は基本的に泣くので,泣いたからといって感動巨編というわけではないです.
結婚することの意味なんかも考えた.うつ病は家族(配偶者も含む)しか支えられなそうだから.精神的な近さもそうだけれど,24時間目が離せないという物理的な距離の近さが重要だなあと思ったから(子育て・介護に似てるけど,介護よりもしんどくて,子育てよりはるかにしんどい,ああ,子育ては何と幸せな営みだろうか.).主人公の二人は結婚してて,支え合える関係でよかった〜,と少し幸せになる.反対に,離婚がうつの原因だったら相当しんどいなあと思う.
まあ,映画としては,TVの2時間特番以上ではあるかな,細川貂々さんのイラストが随分多くて絵本みたいな感じ.のほのぼのとしたタッチがすごく良くてデッサン画もカラーも「もっと見せてくれ〜」って思った.
堺雅人は泣きもわりとOK(ゴールデン・スランバーでも薄幸な青年だった)で,少しかっこ悪いけどよかった.が,宮粼あおいちゃんは,なんてったって若すぎてもう少し落ち着いた配役にしたほうがいいと思った,けど,マーケティングというオトナの戦略上(あおいちゃんが出るなら見るという人も多いだろうから)まあ仕方なしか.
向田邦子のドラマに出てくるような昭和感バリバリの家で二人は暮らしてるんだけど,そのへんの細かさの意図が今ひとつ.映画館でみると分かったのかな?
・・・機内映画はどうしても評価が辛めになる.「寅さん〜」なんかは機内で見ても,すでにこちら側にも文法や作法がインプットされているせいか100%感動できるんだけどね.