高橋昌一郎=著,ちくま新書
面白かった!
東大駒場の理系学生が履修する論理学といえば、”シミロン”と言っていた清水先生の記号論理学だった。ベン図から入って背理法、○○の公理、カップとキャップ、AかつBならば・・・こんなんばっかだった。試験は簡単だったけど、面白いと思った記憶は一度もなし。
駒場の授業でクラスでディスカッションなんて一度もしたことなかった。クラスメートがなにを考えているのかなんて知り得なかったし、知ろうともしなかった。すごくモッタイない時間を過ごしたなあ。と同時に、今の東大生いいなあ。こんな授業ならもう一度受けたい(その前に、東大受かりませんって)。
論理と倫理って全く接点がないものだと思っていたけど、論理で処理して倫理で味付けをするっていう流れは、(年齢に関係なく)知的な人間として正しい営みだったのね。社会人になってふつうに(というか試行錯誤しながらだけど)取り扱えるようになったが、これを学生時代に疑似体験できるっていい授業だなあとしみじみ。