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タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

安全と安心の科学

村上陽一郎 (著) 集英社新書 (2005/01)
Amazon大人買いした一冊.
医療現場がいかに危険に満ちているか,それに対して危機管理がいかに脆弱かを改めて考える.「人間は誰でもエラーをおかす」←このことを気に留めておくのがとても大事!!!仕事柄なじみのある分野とはいえ,語り口が易しく,とても分かりやすかった.

以下,自分のためのメモ
原子力発電の炉の規模.炉reactor 実験炉→原型炉→実証炉→商業炉
・リスクの語源 risco, rischio ← ラテン語risicare, rischiare断崖に挟まれた狭隘(きょうあい)な水路を何とかうまく操船して抜ける
・利益を追求しようという意思,ここにリスクがうまれる.「リスク」は,「利益を望みながらそれを行うことによってこうむる可能性のある負の要素を考慮する」ことに繋がっている.
 う〜ん,前向きだ,村上陽一郎
・第二次大戦で日本が負けた理由:「熟練者の」技術では決して劣ることはなかった.『しかし,最初から「粗悪品」を標準においてシステムの性能を考えるとすれば,「部品」としての人間が消耗して新しい部品と入れ替わったときでも,さほど全体の性能の低下を見ずに済むことは明らかでしょう.この「人間不信」のアイディアこそ,人間−機械系のリスク管理には決定的に重要なものである』