ヤン・ヨンヒ=監督、2012年日本
井浦新、安藤サクラ、宮崎美子、ヤン・イクチュン
「スープとイデオロギー」とは異なる北朝鮮の描かれ方だった。
安藤サクラが激しく、井浦新が静か、という効果的な対比で、何とも言えず物悲しく悔しい。
一番泣いたのが、ソンホ(井浦)が急に北朝鮮に帰ることになって、ソンホの母親(宮崎美子)が、「せめて日本から北朝鮮に戻るのだから」といってパリッとした背広とピカピカの靴を、息子の分だけじゃなくてヤン同志にも用意する場面だった。
同胞って、何なんだろう。信じて渡った国の体制が変わってしまい、親子でも会えなくなってしまう、それも受け入れなければならないことなのだろうか。理不尽極まりない。あの国では、考えたら頭がおかしくなる、とはソンホの台詞。