Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

37 Seconds

HIKARI=監督、2020年日本、アメリカ(配信はNetflix
佳山明(かやまめい)、神野三鈴、大東駿介渡辺真起子

あらすじをWikipediaより。

ユマが生まれてくる時、37秒間息ができなかったことで彼女は脳性まひになった。移動には車椅子が必要。入浴など生活するには母親が必須。しかし母親の愛が23歳の彼女にはうっとおしく思えてきた。ユマは漫画家としてプロとして活動するが、名前は表に出しておらず、現実は人気漫画家・SAYAKAゴーストライター止まりであった。

ユマを演じる佳山明さんは脳性まひのため車椅子で移動。介助は必要だけどすごくめんどくさいというわけでもない車いすの生活。コミュニケーションに問題はない、ちょっと足が不自由なだけ。そこでまず「おおー!」っと思う。
ふと、小学2年生の時に見た映画「典子は、今」を思い出した。サリドマイド障がい者の生活を描く温かい描写のドキュメンタリー風映画だったなぁ。確か昭和56年の作品。
時は下り令和の時代、もう「典子は、今」のタッチでは描けないだろう。本作品は、カテゴリとしては「バウンスko GALS」のような、女性の成長物語。私はそう勝手に分類した。思いっきり泣けたけど清々しい余韻が残っている。
ユマは絵がめっちゃ上手な設定、そりゃそうだ、プロの漫画家だもの。しかしそのことが世間には知らされず、人気漫画家&ユーチューバーのSAYAKAのアシスタント(実際はゴーストライター)。しかも、SAYAKAからもらう給料は中抜きされている様子で、完全に下にみられている。うわー!これは憤るわ。
生活面では23歳になるというのに何から何まで母親の庇護下。もう、いい加減うんざりだよね。でも一方で、母はユマの介助が生きがいになっている。これも痛いほどわかる。
ユマはセックスがどんなものかを体験するためにラブホに行きホストと会う。自由に買い物をして好きな服を着る。飲み会だって行く。それどころか海外に行き、生き別れ状態になっている双子の妹に会う。サポートしてくれる人の存在は大きいけれど、行動力になにより脱帽!
介護士の俊哉さん(大東駿介)、素敵だった。ユマとくっついちゃえ!と途中から応援していた。そして板谷由夏演じるアダルト漫画雑誌編集長が良かった。キリリとしていたのはもちろん、ユマを一人前に扱っていたことが何よりも良かった。こういうの励みになるよね。