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タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

純粋な科学と「科学的な手続き」の違い

純粋な科学と「科学的な手続き」の違いについて、明快に説明できなきゃいけない場面があり、ちょっといろいろ考える毎日。
今更ながらこんな↓記事を見た。
「飛行機がなぜ飛ぶか」分からないって本当? NB online 2014年5月16日(金)
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20140514/264597/?rt=nocnt
ここに出てくる
「方程式の一般解がわからないことを『分かった』と言っていいのか」
がヒントになる。(飛行機の飛ぶ力は流体理論で説明されていて、その基本的な式がナビエ・ストークスの式、なのだけれど)ナビエ・ストークス方程式の一般解は出せない。だからといって、飛行機が飛ぶ理論が全くわかってないかというと、そうじゃない。
ナビエ・ストークス方程式の一般解による説明」が純粋な科学理論によるものであるとすれば「乱流モデルによる説明」は科学的な手続きによるもの。

最近はナビエ・ストークス方程式の数値解法の研究は非常に進んでいます。解き方にもいろいろあるんですけれど、代表的な方法は空間を網目に切る。その中で解を求める。問題はメッシュをどのくらい細かく切れるか、です。

 翼の周りの流れに生まれる小さな乱れ、これを乱流と言います。難しいのは乱流です。乱流の渦を全部計算しようと思ったら、むちゃくちゃ細かい網目がいるんです。それは現在のスーパーコンピューターでもできないんですよ。だから、そこをモデル化しているんです。乱流理論、乱流モデルというものですね。シミュレーションも、そのモデルを入れた上で行います。

 そういう意味では、文字通り完全に「飛行機がなぜ飛ぶか」をすべて理屈で説明できるかと言ったら、言い切れない部分は残っているんです。

↑の説明はめちゃ納得したなあ。
ついでに。大学行って良かったと思ったことは、数値解法ってどういうものか身についたこと。積分が苦手な私にとって、ルンゲクッタ法で近似的な数値解を出せると知った時は、すっげーと思ったから。ルンゲクッタ法自体は高校数学で習っていたのですが、実例とともに「使えるじゃん!」的感覚はやっぱり大学の演習で掴んだかな。