Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

エリン・ブロコビッチ

スティーヴン・ソダーバーグ=監督,2000年米国(Columbia,配給はUniversal)
恥ずかしながらこの期に及んで初めて観た.六価クロムによる地下水汚染事件の追跡と訴訟について.英語は専門用語のほうが聞き取れるという(苦笑).
日本での公害というとメチル水銀カドミウムとなるが,米国では六価クロムがそれにあたる物質なのだろう.一般での知名度がぜんぜん違うのは,私も肌で感じていたところ.
六価クロム垂れ流しがあったのは1966年3月という設定だった.実際にその時期だったのかは要確認であるが,このころのみんなの意識って,米国でも(広い米国だからか?)「排水は有毒だが住民と話し合う必要なし」という文書が社内で作成されるような,そんなもんだったということに衝撃を受け,時代の流れを感じた.
その文書が決定的な証拠となって,「悪影響を知っていて」しかも「隠していた」という点を晒したエリン・ブロコビッチは,企業を追い込んでいく.結局,裁判ではなく和解することになるが和解金の額が3億3000万ドル.ああ・・・・
また,裁判を望む住民に対し,「裁判より早く決着が付く」というロジックで説得して回るエリンには頭がさがるとともに,訴訟の難しさをひしひしと感じた.
英語で勉強になったのは2点.
benefits:雇用される側の社会保険と医療保障.米国では,給料の中から自分で保険会社と個別に契約して払うもんだとばっかり思っていたけど,良くできた会社(法律事務所など)では雇用者側がこういう費用を負担することがあるらしい.へぇ〜,だった.
"Only way we go forward this time":弁護士さんが言った言葉.英会話では常に言いきり型というか自己主張型のセンテンスしか習わないけど,私たちノンネイティブもこういう妥協に満ちた苦渋の発言のスタイルをもっと勉強するべきだなと.