Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

Atmospheric soilという術語を初めて見たのでメモ

Zahran S, Laidlaw MA, McElmurry SP, Filippelli GM, Taylor M.
Linking Source and Effect: Resuspended Soil Lead, Air Lead, and Children's Blood Lead Levels in Detroit, Michigan.
Environ Sci Technol. 2013 Mar 19;47(6):2839-45. doi: 10.1021/es303854c. Epub 2013 Mar 4.

大気中重金属の発生源解析は,巻き上げの影響と発生源の影響をいかに分離するかってところが鍵なので.
ある程度広域(countyレベル)で,浮遊粉じん中における金属の,巻き上げ起因の割合を風速によってratingするってのはありかもしれないと思った.

論文はざっとこんな感じ(30分で読んだので要・再確認!!!)
・Detroit, MIの周辺の郡で測定された小児の血中鉛濃度(BLL)を解析(測定は2001-2009年の毎月)
・BLLには季節変動がみられる(←この事実だけでもすごく新鮮なんですけど!)
・大気中鉛濃度(要は浮遊粉じん中の鉛濃度)を地域の気象データ(たぶん風向風速の日変動など)で補正して標準化
・地域内の他の発生源についても排出量はTRIより既知
・BLLと浮遊粉じん中の鉛濃度には良い相関
・結論:曝露経路としては巻き上げられた土壌に含まれる鉛の寄与が大きい(だから土壌の摂食を減らす必要がある,って書いてあるんだけど???)
相関と因果を混同していないか確認する必要も感じるが,atmospheric soilって単語が面白かったので.それにしても,BLLが綺麗な季節変動してるよなあ,日本でもあるのかなあ?