篠田正浩=監督,1990年日本(東宝)
少年(というか思春期直前の男の子)が大好きな私としては,是非観ようと思っていた.そして,井上陽水の同名の曲が作品中でどのように使われているかも興味があって(←結果的にで言うと,曲はエンディングで,という王道の使われ方だったので,まあなんというかヒネりがないというか「な〜んだ」みたいな感じ).
太平洋戦争中の話なのに,主題は戦争ではなくて少年の成長譚だったことに驚いた,ということが主な感想で,正直,私の好みではなかったので☆3つ.
実際,その頃の小学校高学年の日常や心情をかなりリアルに描いているとみた.戦争中の話だと,普通は「戦争の悲劇」バイヤスがかかるんだけど,それがあまりない(もちろん疎開とかは戦争がなければありえないモチーフだが).ガキ大将とか,派閥争いとか,リンチ(?)とか.そして,もちろん友情も芽生えるが,それ以上に小学生男子って意外に陰険!こんな文化とは知らんかったよ.
映画としては伏線もストーリーも割と中途半端で,それはわざとそう演出したの?と思えるほどだった.主人公の母親(岩下志麻,篠田監督の奥さん!!)が,疎開してた主人公に久しぶりに会っても感動が伝わってくるわけでもないし,疎開組の女の子との話が発展するのかと思うとそうでもないし,戦争が終わった時の大人たちの様子も今ひとつはっきりしないし・・・でも実際,普通の生活を送ってた人々は本当にそうだったのかも.戦争中でも日常というものはあるわけだから.
・・・でもね,やっぱり「Stand by me」のような”日常なんだけど盛り上がりのある”ストーリーを期待しちゃうよねえ,「少年時代」なんだから.