Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

ローマ人の物語34

世界史で「ローマ帝国キリスト教国教化」というフレーズを習った気がする。なぜキリスト教が広まっていったか、という納得のいく答えはこの年になってこの本を読んで初めて出会った。
ポスト・パックス・ロマーナで、社会が少しずつ傾いている時代だから。「自分の生き方への確たる自信を失いつつある時代」だったんだそうな。
「ローマ世界には数多の神々が共存し、(中略)選択が自由であるということは、多くの人々にとってはかえって、不安の原因になるのだ。
キリスト教は、それらを一掃して、数多の中で一つを選択しなければならない迷いから、人々を解放したのである。」
なるほど!
個人的には、すごくよくわかるよ。テーマは全く違うけど、私も働く母として、選択肢の多い人生を歩んでいる。以前hatenaにも書いた(こちら)。だれか私の人生ガラポンで決めてくれよ!と思うことも度々だ。自分で選びとるって、しんどいんだよ。オレについていけば絶対間違いない、って力強く言い切られれば、これっぽっちも疑わずついていくよ(実際は私の周りにそんな”オレ”はいないけど)。
きっと、キリストの教えは当時の人にとってそういう存在だったんだろう。
もう一つ、キリスト教が広まった理由の推察。
キリスト教徒たちの純粋で禁欲的な生き方」「しばしば人間は、ある人の考えそのものよりも、その人の行いの正しさや人格の良さによって、その人の思想にさえも共鳴するようになる」
リスク認知関連の本(中谷内先生の著書)にも、確か同じことが書いてあったなぁ。