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タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

男はつらいよ 奮闘篇

山田洋次=監督、1971松竹映画、渥美清榊原るみ
五能線の風景や鰺ヶ沢駅が映ってるって知って、義母と意気投合して見ることに。青森のシーンは多くなかったけど富士市(静岡)、越後広瀬(新潟の山奥、只見線)、そしておなじみ葛飾柴又の風景が良くて良くて・・・何でこんな映画で泣いてしまうのだろうと思うけど、寅さんは毎回涙なのだ。
また、ドキュメンタリー要素(NHKでやってた「新日本紀行」みたいなの)もあって片時も目が離せない。越後広瀬や青森の(貧しくて)慎ましい感じと、高度成長の恩恵を存分にあずかる富士市そして柴又と。あ、現代においては「慎ましい」、はもはや死語だね。
寅さんシリーズは方言が小道具として使われているように思う。しかも使い方が他と比べてダントツにうまい。お国訛りの登場人物が出てくると説明をしなくても「あ、この人が例の!」とわかる。津軽弁を話す田中邦衛、良かった〜。

(おまけ)富士市の商店街の狭間から見える巨大煙突について.私の(職場の)ボスがとある受賞記念に講演したスライドに,まさにその煙突が写っていたのでびっくり.時期も1970年ごろ,製紙工場の調査に行ったときの写真・・・公害のシンボルであると同時にその町のシンボルであったということで,胸が熱くなる.