Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

アフガニスタンに命の水を〜ペシャワール会26年目の闘い〜

日本電波ニュース社=制作
近所で自主映画上映会があったので観てきた.旧社会党系の支持層が企画した会のようだ.DVD上映なので300円なり.この作品のサイトはこちら.水も食べ物も豊富で贅沢な暮らしをしているわが身を振り返らせてくれるドキュメンタリーだった.

アフガン東部・ニングラハル州。数年前まで荒れ果てていた大地が、今、豊な麦畑に変わろうとしている。荒れ野を麦畑に変えたのは一本の用水路からの水だ。そして、その用水路の建設に当たったのは数十人の日本人と延べ60万人のアフガン農民たち。

建設の陣頭に立って来たのは日本人医師・中村哲さんだ。(以下略)

中村哲医師が一人で水路の設計をし,材料を調達し現地の労働者たちをまとめ上げ,ついに水路が完成に至る.私の仕事のプロジェクトなんてホンの小さいものだと実感.しかも水路が出来たらモスクに学校に都市に,と自分で何でも作る.乾燥地に適した作物の選別と栽培も.医師なのだから病人だけ診ていればいい,というものではない.専門外の土木でも建築でも一から勉強してとにかく何か作る.この姿勢に恐れ入った.
人間が人間らしく生きるには水と小麦(食料)が必要で,それを整備する手助けをしている,ただそれだけ,と中村医師はいうけれど.戦乱で,ややもすると自分の命も危ない中,なかなかできないなと.
結局私は数百円をカンパしただけ・・・あぁ,春から精一杯働こう,自分の出来る範囲でいいから,と心に誓うのであった(日本の平和を享受して,ただボケボケしてるとは申し訳なさすぎる).
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笑いどころは少ない映像だったが,中村医師が,壮大な水路を作る計画をアフガン人の労働者に向かって発表したとき「Discussion is not requested, just practice」ってハッキリ言い切ったのには笑った.そう,つべこべ言わず働け,ってこと.インド人なら「アンタの計画はもっとこうした方がいい」とかその場で延々とDiscussionが始まって結局何も進まないから.アフガンの人々もそういうとこあるんだろうな.