Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

太陽光発電

セールスマンからの電話.「電気代,ほとんどかかりませんよ.すぐ元がとれますよ」えぇ?そんな話しあるわけないじゃん,と思いあっさり断ろうとしたが,夫が「うちの電気代がどれだけ得になるか査定してくれるって.どうやって査定するのか知りたいから話を聞こう」という.私も,ここ置賜地方は雪深いことで知られているのにもかかわらず「太陽光発電オール電化」パックを売りに来るのはいい度胸してるじゃないか,ってことで敬意を表して(?)話を聞くことに.うちは南向きの屋根はないし,西側は山林だし.ここで夏の太陽光だけで1年間の電気代がただになる(夏に売った分で冬の電気代をまかなえる)とすれば,相当高効率の発電パネルを使わなければならないはずだ.

やってきたのは詐欺師とはかけ離れた実直な技術系営業マンだった.費用は,太陽光発電パネルとオール電化工事で初期投資500万円.説明は分かりやすく良かったのだが,電気代が安くなるという説明につられて太陽光発電を導入するのは危ない,ということが分かったのみだった.
まず,電気代というのは,夜間電力料金などが国の政策で極端に安く設定されていること,売電価格は政策的に高く設定されていることが分かった.だから,得になるかは国の政策依存で,胸先三寸というかちょっとしたことで大きく変わること.こりゃ,当てにできないな,と.
そして,期待していた「我が家なら年間発電量はどのくらいだ」という数字が出なかった.置賜地域の平均日射量とうちの屋根の向きと面積からシミュレーションしてくれると思っていた私(←私の方が馬鹿?).そういう試算は「あとで話が違うじゃないか,と揉める原因になるのでしていません」とのこと.というか,そういうのが出来るツールもないらしい.それどころか「”○○地方の平均日射量”みたいな原単位もありません」これには呆れる.ここまで判断根拠を提示できなくて「電気代かかりません」の主張がよくできるなぁ.うちに来た営業マンが悪いわけではない,どうやら上司からそういいなさい,と言われているようだった.
ということで私も夫も攻める(責める)が,結果的に「元が取れるかどうかはその家の使い方次第だ」という説明一点張りだった.米沢市内で導入した家の7月と8月は売電している,という伝票のコピーを見せてもらったけど,年間を通じて電気代がゼロになるという証拠ではない.エアコンの要らない山形は冬の方が電気代がかかるんですけど(部分的な暖房とかで),冬の伝票見せないって詐欺っぽいよ.
ちなみに,太陽光発電パネルは雪が滑って落ちやすいようツルツルに加工してあるので,冬は雪で日が当たりませ〜ん,ってことはないのだと.しかし,肝心の日射は?いつもどんよりと曇っているのですよ,「あなたも山形市内からきたんだから,この辺の気候のことは分かるでしょ」って思わず言っちゃった.私もオバサンです.

うちにお客さんが来た場合は人畜無害な話題でお茶を濁す今日この頃だったけど,久しぶりに数字を見つつのディスカッション(苦笑)した.