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タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

カワウ銃器駆除 鉛弾、是か非か 環境VSコスト、滋賀県も割れる

鉛弾:鉛使用量としては無視できない用途だと思われる。こういう議論もあるってことで。元記事はこちら京都新聞2009年3月19日(木) )

 滋賀県が新年度から再開するカワウの銃器駆除で、鉛製の散弾使用の是非をめぐる論争が起きている。自然保護団体などは水鳥の鉛中毒や環境汚染を懸念して使用中止を訴えるが、猟友会の一部は弾のコストや銃器の構造上の問題から対応は不可能と反発。県庁内でも担当課によって対応が乱れている。

 県カワウ総合対策計画検討協議会の須藤明子委員は「毒性が明らかなものを行政が使うのは問題」と主張する。地面に落ちた鉛弾を水鳥が誤飲する事故だけでなく、土壌や植物の鉛毒汚染を懸念する。先月下旬にあった同協議会の会議では、日本野鳥の会滋賀支部や地元自治体担当者からも鉛弾への懸念の声が相次いだ。

 一方、県猟友会長浜支部の山口一男支部長は、「近年の銃なら非鉛弾も撃てるが、古い銃は非鉛弾だと反動が大きく、何発も撃つカワウ駆除では体への負担が大きい」と話す。非鉛弾は値段も鉛弾の2倍前後するため、コスト面でも切り替えは難しいと主張する。

 県は新年度に過去最多の3万羽を駆除する予定で、自然環境保全課と水産課がそれぞれ1万5000羽ずつを受け持つ。

 自然環境保全課は「鉛弾は使わない」としている一方、水産課は「予算や銃器の問題があり、すべて非鉛弾にすると事業が進まなくなる」と一部容認する方向で、縦割り行政が論争を招く一因にもなっている。

 ■鉛銃弾問題

 重金属の鉛は人体や動物に中毒症を起こすことが古くから知られている。近年、水鳥が消化を助けるために小石と間違って飲み込んだ鉛散弾で中毒死する事例が各地で発生。環境省は2002年、水辺での鉛散弾使用の制限に乗り出している。