Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

ヒズ・ガール・フライデー

ハワード・ホークス=監督.1940年米国作品.Columbia.
DVDが500円で買えてしまった,長年見たかった作品.一時期ハマったハワード・ホークス.この人もヒッチコックみたいに器用で,いろんなタイプの映画作っている.

ケーリー・グラントが意外や意外(笑),とにかくしゃべりまくる.ロザリンド・ラッセルは初めて観たが,すごくきれい.そしてこちらもとにかくしゃべりまくる.よく台詞かまないよなあ.

舞台は1930年代の新聞社.女性が新聞記者として,結婚しても働き続けるのはオシャレじゃない.リッチな男と結婚して人間らしい生活を送りたいと言うヒロインだった.そうねえ,私としては「性に合ってるんだったら働けば」だな.主人公のライバルとして出現した男(=この時点で既に婚約者)が「僕が幸せにする」っていうのも時代遅れ感たっぷりで,そういう意味でも古典って感じだった.そして若干の黒人差別も入っていた.これは当時としては風刺だったのか,地だったのか?これらの古さを加味してもなお,笑えたけど.
原作は,ベン・ヘクトチャールズ・マッカーサーが1928年に書いた戯曲「フロント・ページ The Front Page」で,1974年にビリー・ワイルダーウォルター・マッソージャック・レモンで3度目の映画化(邦題「フロント・ページ」).こっちは男と男の掛け合いになってて,男女間の感情がない分だけビリー・ワイルダー版のほうが好きだ.でもとにかく台本がよくできているので,喋りのうまい俳優を持ってくればそれだけで十分なのかもしれない.

<わからなかったことメモ>
「リノ6週間,バミューダ4ヶ月」主人公カップルが結婚式して,大スクープが入ったため新婚旅行行きそびれたその後に,女性記者が取材で滞在した場所のことだと思う.けど,リノってどこ?
(追記:これは,Reno, NVのことらしい.http://www.tabifan.com/usa/reno/によれば,「1930年、6ヶ月の滞在が必要だった離婚手続が、ここネバダ州で6 週間に短縮された後、“離婚の町”として知られる町、リノ。」なるほど,ここで笑いを取るわけだ)
「production for use」拳銃を持っていて,使わなければもったいないと思って人を撃った,この言い訳に使われる言葉(←やっぱ,精神鑑定必要でしょ!).「有効需要」という訳が付いていた.これって経済学用語?それとも字幕翻訳者の造語?