Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

愛媛へ出張(長文)

3月.年度末だ.予算使いきりのため,と言われればそのとおりだが,急遽泊まりの出張ができることになって,あきらめていた現地調査とヒアリングができることになった.

時間がないので愛媛〜神戸〜京都を1泊2日で.強行軍でどうなることかと思ったけど飛行機もちゃんと飛び,列車も運休なく,予定通りに帰ってくることができた.現地を見て人を訪問するのはとても有意義だった.机上でなく実際に見たり会ったりってすごく大事だと痛感した.そして完全に1人旅だったので,なかなか楽しかった(笑).子どもたちは夫が見てくれる,私はホテルでのんびり,なんて,こういう機会がないとね.

Mixiには仕事と関係のない出張報告.

愛媛県は初踏破だ.まず,松山から造船で有名なI市へ.予讃線の特急で目的地へ向かう.JR四国は3/15ダイヤ改正ということで新しい時刻表を入手するが,見てびっくりした.一番便利なのは岡山へ行く特急で,これはコンスタントに1時間に1本あるが,隣の駅に行く在来線があまりにもひどい.地元内移動はJRを使うなといわんばかり.そのせいか,沿線は松山以外かなり寂れているように見えた.ただし,西日本特有のおおらかさというか,誰でも信用してよい平和な感じに包まれていて,「ここに住みたいなあ(ただし仕事があれば)」と思う事しきりだった.

通り過ぎる列車を見送る子どもたちが多かった.小さい男の子が手を振っているのを車窓から見ると息子を思い出し胸が熱くなる.ただし,男の子に付き添っているのが若い父親,というパターンが多かった.あの,平日昼間なのですけど・・・やはり仕事がないのだろうか?それとも今日はたまたま休み?

訪問の目的は造船所.見学は事実上断られたので外から偵察(苦笑).近すぎてもいい写真が撮れないので,全景を撮るために周りの小高い丘を登ったり下りたり.足イタイ.しかし造船所はワクワクした.工場見学にたくさん行っているが,造船所は見たことがなく一度間近で見てみたかった,念願かなって嬉しい.

造船って,一言で言うと男の職場だ.常にエンジン音と振動音.海の臭いと塗料の臭い.建設機械のデパート状態.デカイ,高い,かっこいい.ヨーヘイ君連れてきてたら,クレーン車が林のように立っている様に鼻血を出したかもしれない.

てくてく歩くうちに,しまなみ街道の高速道路を目にする.何だこれは!という巨大構造物だった(写真左).これが本四連絡橋3ルートの1つ,「尾道今治ルート」と小学校の社会で必死に覚えさせられた,あれか!(ちなみに後の2つは「児島〜坂出ルート」「淡路〜鳴門ルート」.)「道路特定財源」「暫定税率」という旬のキーワードが頭を駆け巡る.あのお金でこんなもの造ってしまったのね(大赤字に違いない・・・).

昼食に立ち寄った施設はサイクリングの拠点になっていた.しまなみ街道を車で来て,サイクリングしていってくださいという趣旨らしいが,ここも道路特定財源で建てたのだろう.宿泊施設もあったが1泊2000円台という破格の安さ.そして客は私を入れて3人(大赤字に違いない・・・これって単に平日のせい?).納税者としては憤りを隠せない施設であった.もちろん,食事はとーてもおいしくて(写真右),食堂のおばちゃんも親切で「ここはいいところだよ(←実際は伊予弁で)」と言う.それはそうなのだけれど,公共事業に頼らなくたって,人的資源で十分やっていけそうな気がする.別の方法で発展を目指した方が良かったのでは.と寒いことを考える私.

このあと,瀬戸大橋線で岡山に向かう.わずか2時間ちょっと.四国って本州の一部?と本気で思わされてしまった.瀬戸大橋をわたるときは怖かった・・・

この日のうちに新神戸に移動し一泊.翌日は神戸の先生と京都のクライアントさん(共同研究者?)を訪問し2100に帰宅.すごい移動距離の割には速い.東京にいくには日本のどこからでも便利になったなあと痛感した.