斎藤美奈子の偉いところは，褒められてばかりで誰もけなさない本にあえてケチをつけることだ．そのケチも的を外しておらず，そんな視点があったか，アッパレというものが多い（たまには，そこまでいうか〜というのもあるけど）．
この本でも，家庭学習の勧めを説いた陰山英男の「学力は家庭で伸びる」をけなしていた．そうそう，「親を家庭に帰せとはいうけど，家庭に帰るのは母（のみ）で」「専業主婦家庭を基準にした陰山メソッド」なんだよね．結局，父親は子どもの教育をしなくて良いわけ？
・・・それでも風向きは少し変わり，父親向けの教育雑誌が続々創刊されている．そういうことを考えることの出来る父親はある種の特権階級にいるわけだから，これも格差社会の現れともいえるが，父も家庭回帰なのは，まあ一歩前進と歓迎しよう．
