Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

マイ・プライベート・アイダホ

ガス・ヴァン・サント=監督、1991年米国
原題:My Own Private Idaho
リヴァー・フェニックスキアヌ・リーヴス
Wikipediaよりあらすじ。

ポートランドで男娼をして暮らす青年、マイクとスコット。孤児として育ったマイク、ポートランド市長の息子であるスコット、生い立ちは対照的な2人だが、マイクはスコットに想いを寄せていた。やがて2人は、マイクを子どもの時に捨てた母親を捜す旅に出る。

これは、どんなにリヴァーが好きでも10代の私では気持ち悪いだけで理解できなかったと思う。せめて、男娼の世界や男同士の恋愛の切なさをいくつか勉強してからでないと。そういう意味ではウォン・カーウァイの「ブエノスアイレス」、あれはエポックメーキングだった。
映像美。人気があるのはわかる。光と影に耽美さや切なさがあふれていた。「ブエノスアイレス」がこっちを真似たかも。
ストーリー自体は、フーンって感じで。いや、こんな映画見ても感想が「フーン」な私も、どんだけ心臓に毛が生えているんだろう。面白いってわけではないけど、細部はじっくり見る点がいくつもあって。
ナルコレプシー(精神的ショックで突然眠ってしまう病気)で記憶が飛ぶのは、マイクにとってむしろ救いなのではと不謹慎なことを考えた。ナルコレプシーとドラッグによるトリップ感は、何が同じで何が違うのか、実は脳の働きとしては結構似ているのではないか、とか。
マイクとスコットが結ばれたアイダホが、タイトルになっているのねー、とか。シアトル、ポートランド、アイダホ(町の名前は不明)、はおろかローマまで行ってしまうロードムービーで、リヴァーの人生そのもの。演技も演技とは言えない感じ。不良少年たちの生活を覗いているようだったわ。