Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

青年団『ソウル市民1919』

こまばアゴラ劇場まで行ってきた。行って良かった(遠かったけど)。やはり、演劇は良い。平田オリザは良い。
こまばアゴラ独特の、密度高い空間。青年団の演技は、隣の家を覘いているみたいな日常感。
舞台は1919年の京城ブルジョワ階級の日本人が無意識に持つ、朝鮮人に対する差別意識。「あいつらも正しく教育すれば良き労働者になる」と心から善意で言い、違和感も持たない。こりゃ独立運動(3.1)起こるよ。
でも、人ってあまり賢くなくて、(ほかの人を引っ張っていく使命があるはずの)ブルジョワ階級の人でも、自分の身の回り半径5mしかケアできないんだなぁって。かつての戦争は、その隙間を狙って忍び込んで、いつの間にか隣にいる、って感じだったんじゃないだろうか。
いつもいつも社会のことを考えているのって、本当にしんどくて難しいこと。歴史を振り返る機会、とか大仰なものでなくても振り返るチャンスを与えてくれた平田オリザさんに感謝だなぁ。演劇だったら、自分に関係のなさそうなモチーフでも、好きだから見るもんね。