Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

安全と安心の違い

安全は客観的(科学的)に決めることができ,安心は主観的なものである,という説明が良くなされるのだけれど,安全も実は人間が決める主観的なものである,ということは我々が従来から主張してきた通り.
何が違うかというと,安全は複数の人間で合議して決めるという点だろう.たとえば国の有識者が「許容できないものは何か」議論し,それを上回っていれば安全ではない,下回っていれば安全と決めるのである(ISO/IECガイド51.安全とは許容できないリスクがないこと).
合議にかけられるということは,言語化できるということである.より定量的な資料があれば指標化できるということになる.
安心は,誰とも話し合う必要がなく(=言語化できなくても構わない),自分で決めるものである.何となくモヤモヤする,こういう感覚は大事だし,国の有識者が安全と言っていても,それを信用しない(不安に思う)のは個人の自由.ただ,大多数の人は「めんどくさいから」国の決めたことを「ふ〜ん」と信じて安心するのである.たぶん.