Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

大往生したけりゃ医療とかかわるな 自然死のすすめ

中村仁一=著,幻冬舎新書
トンデモ本かもな〜と思って読み始めたけど割とまともだった.死ぬことを意識して生きることで毎日が輝くという,すごく当然のことを言っていた.ただし現代日本では,死というものがないことになっているし,死を意識した生をわざわざ言わなければならないところがすごく問題なのだ.(入棺体験とか死に装束ファッションショーとか,もっとやったらいいのにねぇ).
医療については私は素人なのだが,年老いたヒトに対する医療が,そもそもあまり科学的根拠に基づいたものでないということは感じられた.だから(もともと「健康になる」とか根拠がないのだから)生殖の役割を果たし終えた人は,ヘンに医療措置を受けないで自然のままで年月を過ごすだけで良いってこと.
あと,わかってよかったことは,自然死は医療措置をがっつり施した末の死より,痛くもなく苦しくもなさそう,ってこと.このことは知らなかった(まだ死んだことがないので).
ちょっと話は飛ぶが,「子どもを10人くらい産んでいると,どういう時子どもが死んでしまい,どういう時に何もしなくても生き残るというか,ということを体感的に分かる」とあり,100年位前の女の人は本当に偉いな〜と思った.私も3人産んだから,数こなすと人の生死に関する相場感を身を持ってわかるようになる,ということは何となく分かるよ.