Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

応家の人々

日影丈吉=著,徳間文庫
友人から借りた(というか半ば押し付けられたw).
台湾(台南など南部)が舞台.時代は第二次大戦直前で,台湾がまだ日本統治下にあったころのこと.日本(内地)から物見遊山的にやってきた新聞記者が,一人の女の周辺に起こる連続殺人事件を解決する物語.
それが,,,プロットがユルイ.ガッチガチのハードボイルド推理小説かと思ったら,なんつーかリゾート気分満載.一つ一つの文章は格調が高くて,面白いは面白いが,日本人>>台湾人,みたいな上から目線のスノッビーさは否めなかったな.これは当時としては当然なのかもしれず,それを的確に活写している点では良い作品といえるのかもしれない.あと,ちょっと,夢オチ的(決して夢オチじゃないのだが)なヒネりで個人的には反則感を感じた.
結構評価の高い小説家さんらしくファンも多いらしいんだが,私はあまり好みじゃないということで(苦笑).でもこれを貸してくれた友人Tさんには感謝です.