Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

母になっても働く

日本の女性は7割が出産を機に離職するという.「出産を機に離職」が日本に特徴的だとしたら,それはなぜなんだろう?
その理由の一つは,出産前の働き方が,子どもがいたら到底対応できないような,「終わってる」働き方だったってこと.制度も含めて構造的な問題というか.やっぱ,平日9時10時まで仕事して,休日は好きなように時間使ってた人が,うちに赤子がいたら…なんて想像して,子どもができたらイコール辞める,みたいな思考回路になることは,残念ながら無理もない.本当は,多種多様な技があるんだけど,そこまで想像が働かないだろうね.(こっちはどちらかと言うと正社員に対する問題.昔は女性(だけ)がこれを考えればよかったけど,最近は「夫婦で平等に家事を分担するのが理想!」と考える男性にも対象は拡大中.だからみんな子どもを持たないんだよね・・・)
もう一つは,山田先生が指摘するように,出産前にしている仕事は実は辞めたい仕事で,出産をちょうどいいリセットの機会と捉えていること.(こっちはどちらかと言うと女性だけの問題なので,だから,未だに配偶者の収入が結婚の条件になったりする.収入を基準にすると,結婚のハードルがそもそも上がるから,順序の問題で子どもを持ちにくくなるんだよね・・・)
どちらも,だんだんマシになっている=出産してもやめない側にシフトしてる,と思う(私が第1子を出産した2002年と第3子を出産した2009年を比べるだけでもそう思う)が,このように辞める層が2極化していることは確実で,それぞれのボリューム層ごとの対策が必要だなあと思ったりする.
私は,蓋を開けてみるとどちらのタイプでもなかったわけだ・・・子どもができるまでは「終わってる」働き方だったけど,子どもを産んだら毎日6時に帰れたからねぇ.
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本題なんだけど,働く母親がどうやって日々過ごしているかの情報が凄く少ないことは問題だと思っている.
特にネットで発信できる働く母親ってメチャメチャ稀だ,なぜって忙しいから.だから直接いろんな人に会って話を聞き,自分の人生に良いとこどりで取り入れていってほしいなと思う>これから続く人へ
しかしやはりネットって便利で,今後,情報源としては一定の地位を確立していくだろうな,と思うのも事実.
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ということで,N数を増やすために(?),私も折にふれて,働く母親の素直な実情を書いていかなきゃなぁと最近感じている.
で,唐突ながら私の話.
私は単身赴任しており子どもたちと会えるのは週末だけという働き方なんだけど,知人のお嬢さん(高校生女子)は「なにそれ,ありえない!」と私の働き方を信じられない様子.また,男性も40歳以上で既婚者・子持ちはおしなべて「ありえない!」という反応だ.え,アタシの働き方って,そんなにありえないんだ・・・ってOTZ.面と向かって言われるとやっぱりヘコむ.
私のようなのはメジャーだと思わないが,ありえないとも思わない.海外在住経験のある人は「そういう家族もあっていいよね」という反応がほとんどだし,また,私が大学院時代交流があった留学生(女性も男性も)は小さい子を母国に残して日本に来ることは非常にポピュラーなことだった.それを見て,私もそんなもんかなと思って普通に働いてきた.
こういう覚悟も,必要なんじゃない?