Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

某シンポジウム7/14

環境汚染が国境を越えて起こる事例と,そのシミュレーション,対処方法など.

・廃自動車の国際的な移転に関するして生じる問題としては,廃棄物処理に伴う汚染を現地の人に押し付けてしまうことしか認識していなかったが,実はもう一点重要な問題がある.それは,(中古かつ整備不良のため)燃費が低下した状態で走り続けてしまうが故の大気汚染が生じる可能性があるということ.このこともシミュレーションすべき課題であるかもしれないという認識を得たのは収穫だった.(日本の自動車メーカは,硫黄含有量の多い燃料を入れた場合の燃費も,劣悪燃料に対する三元触媒の機能低下度合いも「そんなこと実験していないのでわかりません,データはありません」の一点張りなのだそうだ.)
・面白い単語を聞いた「外交科学Diplomatory Science」.演者のおっしゃったとおり,日本は科学的なデータを駆使して外交問題を乗り切るのは不得意そうだ.
・JICAの専門職員の方の話題は「途上国の環境管理導入がなぜ困難か?それは法体系を遵守するためのガイドラインやマニュアルを作成する力が足りず,かつ,それ(ガイドラインに書いてあること)を実行する力が圧倒的に足りていないから」.
個人的には,ラオスの環境法の法体系が”beatiful”っていうのも驚いたし,フィリピンが「非常にアメリカ的な国」で,法律の体系化,文書化,その開示については日本より進んでいるっていうのも驚いた.
演者の結論は,(公害問題を克服してきた日本が踏んだようなプロセスをすっ飛ばして)法律だけ整備しても,基礎技術力がないとやっぱり駄目だということ.(15年前に聞いた大学3年時のS先生(現・沖縄大学学長)の授業がよみがえる.15年以上経っても落としどころはほとんど同じなのも驚き.ってことは,国の技術力は一朝一夕には身につかないってことか.)