Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

たまには,時事ネタ

斎藤美奈子(著),中央公論新社
本人もお書きになっているが,やはり文芸評論より時事ネタ評論は面白くない.どうも,視点がセコイのである.細かいことをネチネチ突っ込んでいる感じ.また,斎藤美奈子の持ち味でもあるのだが,視点がみょーに歴史的でそれ一辺倒の感あり.お前は生き字引か(まだ若いのに・・・).
それが全体の感想としても,目からウロコの論評は健在で,相変わらず冴えている.2001年から2006年まで,テレビなし生活&2回の出産で時事ネタから全く落ちていた私,新聞じっくり読む暇なんてありゃしない.そんな空隙を美奈子センパイの一刀両断ボディーブロー(どんなボディーブローだ?)が埋めてくれたのは気持ちが良かった.時々アハハ,時々ニヤリ.
最も気に入ったのは,スローフードの項.女を台所に縛り付けることになり,時代に逆行しているのだと.私も,働く母親として常々「母の」手作りを強調している場面に不快感を覚えてきた.「やっぱりママの愛情がないとね」(え!父親ではダメなの?)男女共同参画に寄与するがゆえに男性並みに働いて,子どもも2人くらい産んで,しかも保育園グッズとか手作りで,食事とか栄養に気を配った愛情あふれるもので・・・そんなのできるわけないじゃん!できたら鬱病になりますよ.
そしてもう1つ気に入ったのは,国際情勢を学校の番長,パシリ・・などと例えること.北朝鮮はチビのくせしてナイフを振りかざす,鉄砲玉.日本はパシリ.アメリカは番長.中国,韓国は北朝鮮と元同じグループだったが、両者が成長し仲違い。こういう比喩はダントツに冴えている。