Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

女性研究者を増やす?その1

職場で,「女性研究者を増やすためには,どうすればいいか考えてください」と問われることが多くなったし,実際,懇談会やアンケートなどもあった.

何でも数値目標のわが職場(ため息).どうやら文科省の報告書で女性比率が低い(ウチは5%前後)という指摘を受けたため,トップがやる気になったようなのである.しかし,ウチの職場は工学系のバックグラウンドを持った研究者が多くて,日本の大学の工学部に女子の数がいなければそりゃ,医学系や農学系の研究所と比べて低いの当たり前でしょ!単純比較もナンセンスだ(たとえば,T大工学部の女子比率が40%とかならともかく,私が卒業したときは10%以下だったもんなあ).数値数値で何でも競争するのも分かりやすいけど,現場としては萎えるよねえ,とか思いつつ.

あと,研究者なんて,やりたい仕事ができるかが大きな職場選択理由の一つなのに,なぜ「女性を重点的に」増やさなければいけないのだ?諸外国と比較して低くて恥ずかしいから,という理由で改善しなければならないと考えているオジサマ方には,困ったものだ.あと,少子化問題と絡める問題のすり替えもあまり建設的ではないだろう.

それはさておき,仮に構造に問題があるとしよう.つまり,何らかの圧力が働いた結果,学部では30%くらいの女子比率が,修士,博士,ポスドクと行くにつれて淘汰され5%になるという現状があるとする(そもそも女子学生に理系が不人気ということはおいておく).その理由は,女性研究者は忙しすぎてハッピーな人生を送れなそう(≒子供が産めなそう)と思われているため人気がないとか,憶測はいろいろある.この中で高校生,博士号取得者,転職者(若手研究者)のどの段階で増やすのが有効なのだろう?

頭が混乱してきたので,問題設定だけして,具体案はまた後ほど.