Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

コンビニ人間

村田紗耶香=著,文藝春秋
これは面白かった.スカッとする,という内容ではない.むしろモヤモヤするのに,とても面白かった.
『型や入れ物があって,初めて「人間」になれる.それでいいじゃん』『本当の自分とか,興味もない.』
主人公の内面にある肯定感 −もちろんこの肯定感は万人に理解されるとは思えない− をきちんと描いてくれたこと.それを作者に感謝したい.
主人公は型のある環境に極端に適合した女性.プロの,コンビニバイトである.
最後に「型のほうが本当の自分!」と肯定できるのが良かった.「普通になってほしい」が呪縛,そういう人もいるということ.案外,思い当たる節がある人って,今の日本に多いんじゃないかな?