Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

崖の上のポニョ

mixiに書いたものと同一.映画鑑賞記録としてこちらにも転記.

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崖の上のポニョ」を観に行った。夫は「何かつまらなそう」、娘は「怖いからイヤ」ということで一人で。

ハイジ世代としては,やはり宮崎駿アニメははずせないのであった。主人公の女の子の凛々しいお顔。目に麗しい緑や空。あの映像を見て反射的に涙が出る、という人は私らの世代では結構いると思う。

しかし,最近の宮崎駿は・・・「ハウルの動く城」でがっかりしたからなあ(http://d.hatena.ne.jp/hourei2/20050108)。しかも私の周りでポニョ観た人は多いけど,「ストーリーがちゃんとわかった」と言っている人が一人もいない。とにかく前評判に惑わされずに自然体で・・・観ないことには批判もできないわけで。

絵の美しさと男の子のかわいさ(凛々しさ)には満足です。あと母親の凛々しさも。ウチも夫が突然帰ってこられなくなる職業についているので変に共感したりとか。舞台となったらしい鞆の浦広島県福山市)で小学生の頃泳いだことがあり、懐かしかったりとか。不覚にも何箇所かで泣きました。あと、私が美術学校に通っているなら「これ、全部手描きなの?信じられん」「海、すごい臨場感だ」とかそういう感想で友達と話し合えるかな。
しかし、やはりストーリーは全然わからなかった。大体、海に面した土地があんなに増水するわけない(もしかして月の引力?)。嵐の後の水があんなに澄んでいるわけない。洪水で人が死んでいるはずなのにあんなにのんびりしてて変。とか専門的な観点から突っ込みまくり。グランマンマーレは大きすぎて気持ち悪いし、なぜ出てくるか全然意味不明。この展開で理解しろというほうが無理では?ファンタジーも必然性がもう少しないとねえ。また、折角「これは後で伏線となるに違いない」ということで目を皿のようにして見ているのに、それらの関連性が全然ない。たとえば、母親が超絶ドライビングテクニックを持っていることは、全体の筋とは何の関係もなかった。
というわけで、基本的な感想は「ハウル」と同じ(上のリンク参照)。やはり私は「ラピュタ」-「トトロ」路線で感受性の成長が止まっている。あと、娘の「怖い」という感想はかなり当たっているかも。
オマケ1:ネットやTVで流れている15秒CMからは全く想像ができない内容なので、あれで子どもの気を引こうというのは詐欺だなあ(私はあの子の音をはずした歌がすごく好きなのに、映画では1回も出てこない)。博報堂?の罪は重いぞ。 看板に偽りありだよ。
オマケ2:「幸○の科学」を思わせるような構図もあり、実は宮崎駿新興宗教にハマっている?という仮説を立ててしまった。